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写真1●約100人の人事担当者が、6~7人のグループに分かれてテーブルを囲む「ワールドカフェ」方式で対話した
写真1●約100人の人事担当者が、6~7人のグループに分かれてテーブルを囲む「ワールドカフェ」方式で対話した
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写真2●意見をテーブルクロスに見立てた模造紙に書き込むことで、次にこのテーブルに来た人にも対話の内容を伝える
写真2●意見をテーブルクロスに見立てた模造紙に書き込むことで、次にこのテーブルに来た人にも対話の内容を伝える
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 人材紹介会社の日本マンパワー(東京都千代田区)は、2011年6月21日に取引先企業などの人事担当者約100人を集め、新人教育などの悩みを語り合うイベントを開催した。同社が実施した「新入社員意識調査2011」の結果を公表した後に、参加者が6~7人のグループに分かれて、「ワールドカフェ」と呼ばれる対話手法を用いて、新人の採用や教育にまつわる悩みやその解決法を自由に話し合った。イベントの目的は、キャリア開発支援など日本マンパワーのサービスの認知度を高めることだが、企業の垣根を越えて話し合う場を顧客企業の人事担当者に提供することで、同社への好感や信頼を高める狙いがある。

 日本マンパワーは2010年から、新入社員の仕事やキャリアへの意識、働く価値観について聞くアンケートを実施している。2010年はその結果をプレスリリースなどで公表した。2011年は3~5月に約6000人へのアンケートを実施したが、より注目度を高めるため、取引先企業などの人事担当者を集めたイベントで結果を発表した。

 この後参加者がグループに分かれてそれぞれ1つのテーブルを囲み、「当社の新入社員の今年の傾向」「育成の方向性」「育成における人事担当者の役割」の3つのテーマについて話し合った(写真1)。テーマを変えるたびにグループのメンバーを入れ替え、各メンバーが前のグループで話し合った内容を紹介しながら次のテーマの意見を出していく。テーブル上に模造紙を広げてメンバーが意見の内容を書き留めることで、次のセッションでそのテーブルに着いたメンバーが参照できるようにする(写真2)。こうした仕掛けで、参加メンバーが短時間に数多くの意見に触れられるように工夫した。

 この対話手法は「ワールドカフェ」と呼ばれ、大人数で意見を交換するうえで効果的と見なされている。「各メンバーが本音を話す」「相手の意見を否定しない」などのルールはあるものの、議決や合意は求めない。近年日本企業でも、組織活性化や企業ビジョンの浸透に用いるケースが増えており、2010年にはキリンビールがグループ社員180人を集めたワールドカフェを開催した。

 日本マンパワーでは社内でプロジェクトを推進する際に、組織の垣根を越えた議論を促進するためにワールドカフェを活用してきた。顧客向けのイベントにも取り入れることで、顧客同士の横のつながりを生み出し、同社への好感を高めることを狙う。「人事サービス会社では近年、セミナーのほか、人事担当者に研修プログラムを実体験させるなどの手法で自社サービスをPRするところが増えている。他社と違う訴求方法を模索するなかで、自分たちが実践しているワールドカフェに着目した」と日本マンパワー人材開発営業本部営業企画課の金子浩チーフ・プロデューサーは説明する。ワールドカフェの最後には、同社が提供するキャリア開発のサービスメニューなどを説明したものの、イベントの大半をワールドカフェに費やし、営業色を最小限にとどめた。

 ワールドカフェに参加した人事担当者たちはほとんどが初対面だったが、リラックスした雰囲気のなか、「ぶっちゃけ」話で盛り上がった。「今年の新人にドレスコード(服装規定)を説明したら、『なぜそう決まっているのか納得できない』と反論が出て驚いた」「うちも同じ。今までの新人より自己主張が強いと感じる」「うちでは『会社では仕事で目立つべきであり、服装で目立って仕事ができなかったら恥ずかしいよ』という説明をしたら納得してくれた」

 企業の垣根を越えて共感したり、他人の知恵を借りたりできる場は参加者にも好評で、「また参加したい」という声が多く聞かれた。日本マンパワーでは今後もサービス紹介セミナーなどにワールドカフェを活用していく予定だ。