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写真●紀伊國屋書店新宿南店の野口敦郎店長(左)とSUPERワクワク隊隊長を務める神矢真由美第一課係長
写真●紀伊國屋書店新宿南店の野口敦郎店長(左)とSUPERワクワク隊隊長を務める神矢真由美第一課係長
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 紀伊國屋書店(東京都目黒区)の新宿南店(東京都渋谷区)は6月27日、従業員個人のお勧め書籍を陳列する企画などを展開する特設売り場「@super_wakuwaku(スーパーワクワク)」を新設した。顧客の来店促進と従業員の意欲向上の一石二鳥を目指した施策である。野口敦郎店長は「個性的な売り場によって顧客にワクワク感をもたらし、来店を促す」と語る。施策の効果が浸透した2012年に来店客の5%増を目指している。

 @super_wakuwakuは幅7メートル、高さが4段分の棚と平積み用スペース。このスペースに常時5個程度の企画を展開する。例えば「キノミナの本棚」という企画は、従業員が棚1段分を自らの本棚に見立て、担当ジャンルにとらわれずにお勧め書籍を並べるコーナーである。医学書担当の従業員は、養老孟司氏の著作とアレクサンドル・デュマの小説「三銃士」などを一緒に並べていた。

 売り場の運営にあたり、店長からアルバイトまでを含む従業員約20人で「SUPERワクワク隊」を結成した。同隊の隊長で、キノミナの本棚の考案者でもある神矢真由美第一課係長は、「友人・知人の本棚を見学すると面白いと思った」と企画の狙いを明かす。従業員のセンスによって生まれる書籍の組み合わせの意外感や面白さによって、顧客にワクワク感をもたらしたい考えだ。「キノミナ」というネーミングには「紀伊國屋書店新宿南店」と「紀伊國屋のみんな」などの意味を込めた。

 売り場の情報は随時ツイッター で発信し、ツイッターを利用する顧客とのコミュニケーションも図っている。9月にはワクワクをテーマにしたトークイベントも計画しており、多角的な展開で注目度を高めていく。

従業員、顧客調査で「ワクワク」の重要性に気づく

 一連の施策を始めたきっかけは、同店で2010年11月~12月に実施した従業員アンケートだった。ネット通販や中古書店の台頭、電子書籍の普及といった逆風が吹くなか、どんな対策を打てるのかを探るためだったが、従業員の回答からは「もっと特徴を出すべき」「従業員が楽しんでいることが伝わるお店にしたい」といった意見が目立った。また、ほぼ同時期に全社で実施した顧客満足度調査では「新宿南店を友人にも強く勧めるか」という設問に対し、「強く勧める」と答えた顧客の割合が低いという結果が出た。

 これらの点を踏まえ、野口店長は顧客満足度の向上策を検討する委員会を設置した。「現場から自発的にやりたい企画を出してもらうようにした」(野口店長)。同委員会が策定したコンセプトが、他店にはないワクワク感を表現する「SUPERワクワク」だった。

 SUPERワクワクの施策によって、従業員同士のコミュニケーションも盛んになってきたという。「ワクワクする企画を立てるため、担当部門の枠を越えて活発に情報を交換する機会が増えた」(神矢係長)。こうしたコミュニケーションが定着すれば、従業員一人ひとりの意欲の向上も期待できる。

■変更履歴
三段落目で「新宿南口店」としていましたが、正しくは「新宿南店」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/08/18 14:42]