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「たまルン」カード。両備グループの車両デザインなどにかかわる工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザイン
「たまルン」カード。両備グループの車両デザインなどにかかわる工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザイン
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 岡山駅前で百貨店「岡山タカシマヤ」を運営する高島屋グループの岡山高島屋(岡山市)が、新たなCRM(顧客関係管理)戦略に乗り出した。独自のクレジットカード「タカシマヤカード」で自社顧客を囲い込む戦略を修正し、岡山地域の約50の加盟店でもポイントがたまる新ポイントカード「たまルン」を2011年4月から導入。8月22日までの5カ月弱で、会員数は9万人を突破した。

 将来的には、岡山市の人口約70万人の過半数を占める約40万人の会員獲得を目指す。高島屋グループの店舗で、地域独自のポイントカードを本格的に導入しているケースは他にない。

 岡山高島屋は地域密着型の営業強化を狙い2010年4月、岡山市を中心に路面電車・バスや、スーパー(両備ストア)などを展開する両備ホールディングス(岡山市)と資本・業務提携した。「ポイントカードの共通化は、連携を強化するための大きな第一歩だった」(両備ホールディングスの松田敏之専務取締役)という。ポイントカード共通化によって、両備ストアなどの顧客を岡山タカシマヤに送客することを狙う。

 たまルン会員は、岡山タカシマヤや両備傘下の約50店舗で買い物をすると、210円(税込み)につき1~2ポイントをもらえる。500ポイントごとに500円の商品券に交換できる。たまルンの名称は両備傘下の鉄道会社、和歌山電鉄の名物キャラクターである猫の「たま駅長」にちなんでいる。

 岡山では「現金主義」が強い風土もあり、岡山タカシマヤにおけるタカシマヤカードによる購入比率は55%程度で、高島屋の他店より低く、購買履歴を捕捉できない顧客の比率が多いという問題があった。たまルンのカード会員は、現金・他社クレジットカード利用時にポイントがたまる。これによって、購買履歴を捕捉できる顧客比率は60%程度になった。今後はさらにたまルン会員を増やし、この比率を70%程度にまで上げる計画だ。

 そのうえで、岡山タカシマヤと両備傘下の店舗を連携した販促を強化する。第1弾として、7月1日から21日までの期間限定で、加盟店での合計購入価格が3万円以上の会員に500ポイントのボーナスポイントを付与するキャンペーンを実施した。21日の期限が近づくにつれ、「3万円以上」のラインを意識する顧客が増え、岡山タカシマヤで7月中旬の売り上げが前年比同期比で3~4%向上する効果があった。

 今後も岡山タカシマヤを利用しそうな顧客を絞り込んで電子メールを配信する機能や、百貨店の来客が少ない平日日中にポイント割増サービスを提供する機能などを随時追加し、送客を強化する計画だ。

 システム開発はグループ内の両備システムズが担当。投資額は約2億円で「この規模のポイントカードシステムとしてはかなり安く抑えられた」(松田専務)という。コスト削減のため、店舗側には新たな機器を導入せず、既設POSレジを改造するだけで済むようにシステムを設計した。

■変更履歴
最初から5段落目で「タカシマヤカード利用時もたまルンでポイントがたまる」 としていたのは誤りでした。たまルンでポイントがたまるのは現金・他社クレジッ トカード利用時のみです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/08/29 13:00]