●クラウド管理ソフト「CloudStack」の採用で設定・管理を自動化
●数時間で要件に合う環境を整備、研究のスピードアップに奏功

北海道大学は2011年11月、学内の主要なサーバーを一新。国内の大学では最大級となるプライベートクラウド環境「北海道大学アカデミッククラウド」(アカデミッククラウド)を構築すると同時に、170テラフロップス超という国内有数の演算性能を持つスーパーコンピュータの運用を開始した。
アカデミッククラウドは約2000台の仮想マシンを同時に稼働させられる能力を持つ。学内外に散らばったWebサーバーや研究用サーバーを集約するほか、他大学や民間研究機関にもコンピュータ資源を開放している。
アカデミッククラウドの構築を先導した北大情報基盤センター大規模計算システム研究部門の棟朝雅晴准教授は「数多くの研究者たちに、研究用のコンピュータ資源を柔軟に提供できるIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)を目指して構築した」という。
大学の研究では、様々な分野の研究者が、多様な目的でコンピュータを利用する。大規模なコンピューティング資源を迅速に利用できれば、研究機関としての競争力も増す。そこで北大は、大手クラウド事業者に匹敵するほどの技術を採用し、研究者が必要とする環境を素早く用意できるプライベートクラウドを実現した。
ユーザーが申請してから、実際に仮想マシンを利用できるまでの時間はわずか数時間。これを実現するために、設定にかかわる業務フローの大部分を自動化した。その自動化の核となるのが、米シトリックス・システムズがオープンソースソフトとして提供するクラウド管理ソフト「CloudStack」である。
Nexusは10Gポート密度を評価
アカデミッククラウドのインフラは、日立製作所のブレードサーバー「BladeSymphony BS2000」114台(台数はブレードの数、写真1)に、シトリックスの仮想化ソフト「XenServer」を搭載した(図1)。構築は日立が支援した。
サーバー間を接続するスイッチには米シスコシステムズの「Nexus 5000」を採用(写真2)。Nexusは仮想化ソフトと連携する機能を持つが、アカデミッククラウドではその機能は利用していない。10Gビット/秒のイーサネットポートを高密度に実装している点と、デーセンターでの採用実績が多い点を評価しての採用だった。