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 西日本を中心に眼鏡販売店約130店舗を展開する21(トゥーワン)は、レンズやフレームのメーカーなど取引先を社内のネットワークに参加させ、新商品の開発情報を全社員が共有している。多くの社員のフィードバックを得ることで、より使い勝手の良い商品を開発する狙い。2012年6月に発売を予定する立体視ルーペなどの開発にも役立てている。

 同社では以前からグループウエアの「ノーツ」を使った「R懇談室」と呼ぶ社内の情報共有システムを構築。出店や販促などあらゆる稟議情報を全社員が共有し、部門の壁を越えて意見を出し合う「ガラス張り」経営を促進している。

 2007年からはこのシステムに、レンズやフレームのメーカーなどの取引先も参加し、新商品の設計図面などの情報を共有しながら開発する体制を敷いている。開発中の商品情報を店舗の販売員などが参照して、店舗に訪れる顧客の声のなかで参考になりそうなものをメーカーに直接伝える。開発を担当する創業者の平本清相談役は「顧客のニーズをダイレクトに反映することで、商品の使い勝手を向上し、開発スピードを上げていく」と狙いを話す。取引先は提供されたノーツのIDを使って21のシステムにアクセスし、R懇談室の中で自社に関係あるスレッドを参照して、社員の意見を参照できる。

 2011年に発売した鼻パッドの無いメガネ「Fit-Nopad」の開発に当たっても、「夏に汗をかくと、鼻パッドが当たる部分のファンデーションが崩れる」といった顧客の声から開発をスタート。ツルで側頭部とこめかみを押さえ、耳とほお骨で支えるという形状で実現した。「髪の毛を結んでいる時にも、髪型を崩さずにかけ外ししたい」といった顧客の要望も反映して、テンプルの形状に工夫するなどした。こうした工夫によって、同製品は計画を上回る売り上げを記録している。

 2012年6月に発売を予定するルーペ状の立体視眼鏡は、歯科医など細かい手作業を必要とする人を主要な顧客層と位置づける。この開発情報もメーカーと全社員が共有し、店舗で該当する顧客の声を吸い上げて開発に反映していく。

 同社は社長をはじめとする社員の給与や評価、経費などの情報を社内でオープンにするユニークな経営手法で知られる(日経情報ストラテジー2012年5月号参照)。商品開発に関わる情報もオープンにすることには情報漏えいのリスクも伴うが、そうしたリスクよりも「開発のスピードアップや顧客の声の活用を優先する」と平本相談役は話す。