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写真●グローバル経営大学の様子
写真●グローバル経営大学の様子
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 東京・品川にある日本精工の本社ビル。2012年10月19日、ここに世界各国から30~50代前半の幹部候補生が集まった。彼らは2組に分かれ、「グローバル・エクセレント・カンパニー」の定義について活発に議論を交わしながら、白板にキーワードを書き込んでいく(写真)。やり取りはすべて英語だ。

 これは日本精工が2011年から始めた「グローバル経営大学」の取り組み。(関連記事)。 第2回となる今回は各地域から11人が選抜された。フランスやポーランド、米国、中国、シンガポール、豪州、韓国、日本というように国は多彩だ。

 まず11人は10月16日から4日間、日本で研修を受けた。プログラムは日本だけで実施されるわけではなく、今後は中国やシンガポール、ドイツでも開く予定だ。現地の経営幹部へのインタビューや実地調査を経て、最終的に大塚紀男社長を前に発表する。

 人事部グローバル人事室の山下正洋氏は「事前準備に前回の経験が生きた」と話す。例えば、あらかじめ参加メンバーにグローバル・エクセレント・カンパニー像について考えてもらうことで、議論が円滑に進んでいる。人材育成を手掛けるコンサルティング会社の協力も得て「コーチング」も実施している。

 日本からは2人が選抜された。その1人である光田泰啓産業機械事業本部電機情報部課長はシンガポールに駐在した経験を持つ。光田課長は分からない単語があれば携帯電話の辞書で調べながら、必死に議論に加わっている。「これまでやり取りする機会の少なかった欧米の社員と議論を交わすことで、バックグラウンドの違いを肌で感じれている」と光田課長は語る。

 もう1人の船津隆弘生産技術センター加工技術開発部グループマネジャー課長は日本精工に入社してから28年間、一度も海外駐在の経験が無い。グローバル経営大学に参加することを知った時、「なんで私が?」という思いだったが、「自分を励ます良い機会になる」と思い直した。

 生産技術に携わる船津課長は「どうしても日々の業務に追われ、外に目を向けることを忘れがちになる。この研修を通じて、世界の視点を身を持って感じ、それを部下の育成に生かしたい」と意気込む。

 日本精工は7000億円超(2012年3月期)の売り上げを2016年に1兆円に引き上げる方針を打ち出している。成長の柱は新興国を中心とした海外だ。日本精工はグローバル経営大学で世界に通用する社員を育て、グローバル展開を支える人材の拡充にまい進している。