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写真1●オリックス・ファシリティーズが運営する栃木県鹿沼市の大規模太陽光発電所
写真1●オリックス・ファシリティーズが運営する栃木県鹿沼市の大規模太陽光発電所
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写真2●太陽光発電所の保守作業の様子
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 JR宇都宮駅から車で約30分。オリックス・ゴルフ・マネジメント(東京・目黒)が運営するゴルフ場「ディアレイク・カントリー倶楽部」が見えてくる。その敷地内の一角に、マンション大手の大京グループでビル管理を手掛けるオリックス・ファシリティーズ(京都市)の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が見えてくる(写真1)。

 「192.884 完了」。オリックス・ファシリティーズの木田博氏は米アップルの「iPad mini」を片手に、太陽光発電所の稼働状況を入念に確認していく(写真2)。同発電所のソーラーパネルの枚数は1万枚を超える。年間の発電量は約240万キロワットを見込み、一般家庭で約700世帯分の年間消費電力量に相当する。

 オリックス・ファシリティーズは2013年末、太陽光発電所の保守業務の品質や効率を高めるため、ITベンチャーのG-Smart(東京・台東)が提供するクラウドサービス「Smart Attack(スマートアタック)」を導入した。太陽光発電所の保守担当者はiPad miniでスマートアタックを起動し、点検日や天候、日射量などを入力していく。

 新システムの導入で、保守業務の効率は大きく高まっている。従来は保守担当者が現場で点検項目を専用の用紙に書き込み、事務所に戻ってからパソコンでシステムに入力し直していた。新システムでは、保守担当者が現場でiPad miniに入力するだけで済むため、事務所での入力作業が不要になった。オリックス・ファシリティーズの和田敏紀電気保安事業部部長は「保守業務の効率が上がっただけでなく、保守担当者のスキルも標準化できている」と手応えを口にする。

 iPad miniの導入台数はビルのメンテナンス業務なども含めて現状で50台程度にとどまっているが、「最終的には1000台規模まで拡大したい」(和田部長)。将来的には、蓄積した保守履歴やトラブル履歴などを分析し、故障を事前に検知するといった施策につなげる考えだ。データの利活用を通じて、「太陽光発電所のマーケットバリューを高めていく」と和田部長は意気込む。

 2012年7月に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」で、太陽光発電ビジネスは活況を呈している。一方で新規の参入が相次ぎ、競争環境は激化している。業界動向に詳しい関係者は「ここ2~3年がピーク」と明かす。ただし、ブームを過ぎても、既存の太陽光発電所は稼働し続ける。今後はITをフル活用して太陽光発電所の運用・保守の品質や効率をどれだけ高められるかが、競争を勝ち抜く鍵になりそうだ。