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自社の情報システムを適切に構築・活用するための基準を示し、ITガバナンスの成熟度を測るための国際的な規格。IT関連業務を34のプロセスに分類している。

 経営戦略を実現し、競争力を確立するためにIT(情報技術)を活用すべき」とは、言い古された言葉です。しかし現実には、だれも使わない情報システムや、競争力につながらないシステムが次々と作られています。

 問題解決のためには、IT戦略に関する自社の組織体制、すなわち「ITガバナンス」を見直すべきでしょう。「権力を持つ事業部長が提案するシステム投資案件は異論もなく通る」「プロジェクトの遅れが慢性的で、いつも他社に先を越される」といった状況では、競争力が向上しないのは当然です。

◆効果
ITガバナンスを確立

 ITガバナンスの成熟度を測るのに有効なツールが、米ISACA(情報システムコントロール協会)が提唱している「COBIT(コビット)※」です。世界的に有力な基準で、日本の経済産業省が2004年10月に公表した「システム管理基準」も、これを参考に作られています(241ページの「e-Japan」を参照)。

 COBITの核となるのが、34の「ITプロセス」です。これを「計画と組織」「調達と開発」「運用と支援」「モニタリング」という4つに分類。例えば「計画と組織」ドメインには、「IT投資の管理」「技術的な方針の決定」「リスクの評価」といったITプロセスが含まれます。

 このITプロセスそれぞれの「成熟度」を「0=管理不在」から「5=最適化されている」までの6段階で評価。さらに、成熟度を上げるための「重要成功要因(CSF)」、結果を測るための「目標成果指標(KGI)」、KGIにつながる日常業務の質を測る「業績評価指標(KPI)」を定義します。この辺は、経営管理の手法である「バランス・スコアカード」の考え方を援用しています。

 COBITの文書では、34のITプロセスについて、それぞれCSF、KGI、KPIを例示しています。例えば、「IT投資の管理」プロセスのCSFとして「すべてのITコストを把握している」などを、KGIとして「売上高に占めるITコストの比率」、KPIとして「標準のIT投資モデルを適用したプロジェクトの比率」などを挙げています。

 COBITは、ITガバナンス確立のためのベストプラクティスであり、自社の体制を見直すうえで参考になります。

◆事例
ITコーディネータが活用

 欧米では、蘭フィリップスや米チャールズ・シュワブなどがCOBITを採用。日本でもCOBIT準拠をうたったコンサルティングを提供するシステム関連業者が多数あります。ITコーディネータの研修カリキュラムにもCOBITが含まれます。

(清嶋 直樹)