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 金融機関が発行するキャッシュカードを使って、店頭などで決済できるサービスのこと。「デビットカード」という新たなカードを発行するわけではなく、消費者は手持ちのキャッシュカードを使って、預貯金残高の範囲内で買い物ができるのがミソだ。デビットカードによる決済方式を「デビットカードサービス」と呼ぶことも多い。

 「デビット」とは会計用語の「即時決済」という意味。この名の通り、デビットカードサービスは、後払いのクレジットカードによる決済と違い、即時決済となる。

 消費者は会計の際、クレジットカードを使うのと同じように、店にキャッシュカードを提示する。店側が、店頭に置かれたデビットカード用端末でキャッシュカードを読み取る。消費者が端末に付属するパットで、銀行に届け出済みの暗証番号を打ち込む。それと同時に消費者の預金口座から代金が引き落とされる。預金残高以上の決済をしようとしても、端末にエラー・メッセージが表示され決済できない。そのため消費者は、使い過ぎによる借金の不安がない。

 デビットカードは、欧米で小切手に代わる支払い手段として、1990年代に入ってから急速に普及した。日本では1998年6月から、郵政省や当時の都市銀行が中心となり、デビットカードサービスの運営主体となる「日本デビットカード推進協議会」を発足させた。

 日本デビットカード推進協議会は1999年1月から「J-Debit」という名称で、一部店舗を対象にサービスを開始。2000年3月にはJ-Debitの資金決済を集中処理するシステムの運営機関「クリアリングセンター」を稼働、サービスを本格化させた。

 同推進協議会は、その後も加盟銀行や加盟店を着実に増やしている。2004年11月の段階でJ-Debitに参加する金融機関は1476。現在、国内のほとんどの金融機関のキャッシュカードを、デビットカードとして利用できる。さらにJ-Debitを利用するための端末は、全国約21万カ所に設置してある。

 J-Debitを利用する場合、消費者は金利や手数料、会費などを一切払わなくてよい。申し込み手続きも不要だ。こうした手軽さが受けて、J-Debitの取引実績は、年々伸びている。2004年1月から同年12月までの取引金額は、前年同期比33%増の7100億円。取引件数は1100万件で、昨年より15%増加した。

 J-Debitを利用できるのは、スーパーや百貨店、レストラン、ホテル、病院といった店舗や窓口のあるところだけではない。携帯情報端末や無線通信技術の普及により、タクシーや玄関先での宅配サービスの支払い、契約時の損害保険料金の支払いなどにも利用範囲が広がっている。

 ただしJ-Debitは、国内だけのサービス。欧米と日本では、キャッシュカードの磁気ストライプの位置や、デビットカードサービスにおける決済データの通信手順などが違うため、互換性がない。

(戸川)

本記事は日経コンピュータ2005年1月24日号に掲載したものです。
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