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文書データを意味や内容で分析する手法。内容の類似性に基づいて自動的に分類するなど、効率的に検索・分析できる。顧客心理の理解に有効なため注目度が高い。

 大半の企業が「顧客起点」を標ぼうしています。顧客のニーズを探ろうと、最近は顧客の生の声を文書データとして蓄積する企業が少なくありません。購買動機や不満要因といった、接客に当たった店員や電話を受けたオペレーターだけが知り得る情報を全社で共有し、活用する取り組みです。

 ただし、そうした定性的な情報は数値データとは違い分析に手間がかかります。通常は人が1件ずつ目を通す必要があり、数百件にも上る大量の文書となると事実上分析は無理でしょう。

 定性情報を効率良く分析する手法が「テキストマイニング」です。文書データに含まれている単語をコンピュータが解析して、意味や内容を基に整理・分類します。

◆効果
大量文書を自動分類

 テキストマイニングを活用すれば、中身を読まなくてもどんな内容の文書データが蓄積されているかを知ることができます。

 多くのテキストマイニング・ツールは、文書を単語に区切り、各単語の出現回数を自動的に集計する機能を備えています。苦情の原因を探るのに有効で、例えばノートパソコンの苦情に「バッテリー」という単語が多く見られれば、バッテリーの駆動時間に不満がありそうだと推定するわけです。

 同じ単語を同程度含む文書を似たもの同士と見なして分類することも可能です。顧客からの問い合わせを、「苦情」や「要望」といった内容別に振り分ければ、課題の優先順位を判別しやすくなります。

 分析対象を絞り込めるのもテキストマイニングの大きな利点です。特定の単語を多く含む文書だけに絞れば、読む手間を大幅に減らせます。例えば、「分からない」といった単語の出現回数が多い文書だけを選んで内容を詳しく読んでいけば、商品の使いにくさの原因を突き止めるのに効率的です。

◆事例
隠れたニーズを発見

 松下電工は、テキストマイニングを活用して顧客の潜在ニーズを発見し、美容・健康器具のヒット商品を次々と開発しています。

 2004年3月に発売した、まつげをきれいに仕上げる電気式ホットビューラー「まつげくるん セパレートコーム」のときは、開発者の考えと市場ニーズとのかい離を発見し、ヒットに結び付けました。

 従来の旧まつげくるんとまつ毛メークの主力商品であるマスカラの口コミ情報をテキストマイニングで分析。単語の出現回数を比較して差の大きかった「ダマ(塊)」や「ボリューム」に真のニーズがあると判断したのです。マスカラのダマを取り除いて本数を多く見せるように商品を改善したところ、国内市場の約半分を占める売り上げを達成しました。

(相馬 隆宏)