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製品の品質にとどまらない経営全体の品質を評価する表彰制度。公表された基準に沿って自社の現状を自己評価し、改善を進めるという考え方を基にしている。

 自動車会社のリコール騒ぎを見るまでもなく、製品やサービスの品質を高めることは企業にとって重要です。しかし、社会に対して価値を提供し続けるには、人材育成や組織運営も含めた経営全体の質、すなわち「経営品質」を高める必要があります。

 「日本経営品質賞(JQA)」は、経営品質に優れた企業を表彰する制度で、日本経営品質賞委員会(事務局は社会経済生産性本部)が運営しています。1980年代に日本など海外企業の脅威で経済情勢が悪化した米国は、企業の競争力向上のため「マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)」を制定。着実に成果を上げてきました。90年代に国際的な競争力に陰りが見えた日本は、MB賞を研究。95年にJQAを創設しました。なお、同様な趣旨の表彰制度に日本科学技術連盟の「日本品質管理賞」があります。

◆効果
自己評価で弱み明確に

 不良品率といったものに比べ、経営品質を測るのは容易ではありません。JQAではMB賞と同様に、「アセスメント基準」を定め、企業が自社の経営品質を自己評価しやすくしています。これによって、自社の経営の強みと弱みが明らかになり、自己変革を進めやすくなります。

 アセスメント基準は冊子として公開されています。2004年度の基準は、8カテゴリーで構成。それぞれ配点があり、合計で1000点満点です。

 例えば、「経営幹部のリーダーシップ」カテゴリーでは、「経営幹部は組織内外の関係者とのコミュニケーションをどのように図っているか」などについて現状を評価します。「情報マネジメント」カテゴリーでは、「各部門の業務能力を測定するための情報・データはどのような方法で選定・収集・分析しているか」などが問われます。

 JQAを受賞するには、書類審査で500点以上を目安とした基準をクリアする必要があります。これを通過した企業には、3人の審査チームが3~4日張り付き、本当に基準を満たす経営が行われているかどうかを審査。受賞企業を決めます。

◆事例
千葉ゼロックスが受賞

 2004年度のJQA受賞企業は、大規模部門が千葉ゼロックス(千葉市)、中小規模部門がホンダクリオ新神奈川(神奈川県大和市)でした。過去には、パイオニア(モーバイルエンタテインメントカンパニー)、第一生命保険、リコーなどが受賞。パイオニアは、JQA基準に従って現状を自己評価する「アセッサー」を社内に約300人育成し、経営品質の向上に努めました。

 受賞企業以外にも、JQA基準で経営革新に取り組む企業が多数あります。三重県や東京都三鷹市などの地方自治体も、JQA基準を活用しています。

(清嶋直樹)