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機械製品などにおいて、どのような部品や下位構成品、中間製品および原資材などから構成・製造されるのかという関係を示した表のこと。

 A社のパーツを使って製造しているのかと思っていたら、実際はB社のパーツに切り替えて製造しているというじゃないか。どうなっているんだ」——。ある機械メーカーの設計者は、製造部門の部品表を見てがくぜんとしました。

 「部品表」とは、組み立て製品の部品や材料などの構成を管理するものです。この設計者は、現行製品の改良機種のコストを推計するのに設計部門の部品表を使っていたのですが、製造部門の部品表に記載された部品に基づいて計算をやり直す羽目になりました。これは、設計部門と製造部門が独自の部品表を運用管理して、製造部門が行った部品変更が設計部門の部品表に反映されなかったために起きた問題です。

 このように、従来は、部門や海外拠点ごとにバラバラに部品表を管理してしまい、全社のマスターデータとして共有する体制が備わっていないケースが多いのが実情です。そこで、IT(情報技術)を活用して、部品表の統合管理を目指す動きが徐々に活発になっています。

◆効果
部門間の連携を迅速に

 拠点や部門ごとにバラバラに部品表を管理していると、その中のデータや構造も異なるものになりがちです。例えば、部品コードの取り決めや、いくつの部品で構成するくくりを1モジュールとみなすかといったデータ構造、あるいは数字の単位が異なるといったことです。その結果、ある部門が部品表の内容を変更したとしても、他部門がその変更を反映することが難しくなってしまいます。

 しかし、こうした部品表を全社で一元的に管理できれば、製造現場が品質やコストの理由で部品を変更したことを設計部門が直ちに把握して、次回の設計に反映させることができます。逆に製造部門や販売部門は、設計が更新されるとすぐに調達部品やカタログの記載内容の変更に取り掛かれるので業務のスピードが向上します。

◆事例
全世界で標準化

 日産自動車は、2004年度中に部品表システムを再構築し、2005~2006年度にデータ移行を終える予定です。部品表は、(1)購買用、(2)原価管理、(3)設計・製造用という3つのシステムごとに存在しますが、部品コード体系を標準化することでお互いの変更をスムーズに反映できるようにします。さらに、日米欧で異なっていた部品表を標準化します。

 再構築には50億円を投じる予定ですが、これによって全世界の製造部材を可視化し、仏ルノーとの共同購買を推進したり、製造現場における部品変更によるコストダウンなどを即座に把握できるようになります。

(井上 健太郎)