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情報システムの機能を業務プロセス単位で部品化してネット上に公開し、これらを連携させてシステムを構築する手法。経営環境の変化に素早く対応できることが特徴。

 経営環境にIT(情報技術)が浸透した現在、業務改革の際に情報システムの修正に迫られる場面が増えています。こんなとき、システムの修正に手間取ると、改革が遅々として進まなくなります。すなわち、ITが経営のボトルネックになることがあるのです。膨大な開発コストがかかるために、改革を断念せざるを得ないといったケースもあり得ます。

 このような状況を改善すると期待されているのが「SOA(サービス指向アーキテクチャー)」という概念です。

 この概念の骨子は、大きく2つあります。1つ目は、情報システムの機能を業務プロセス単位で部品化し、外部から呼び出して使えるような「サービス」として提供すること。通常は、ウェブサービスとして提供します。

 もう1つは、データの構造や書式に加えて、部品の機能を標準化すること。これによって、公開されているサービス(業務プロセス)を組み合わせることで、業務システムが開発できるようになります。

◆効果
開発期間を大幅に短縮

 SOAを採用すると、必要に応じて社外のサービスを利用したり、不要なサービスを外すことが容易に行えます。このことは、短期で業務プロセスを変更できることを意味します。自社で、業務プロセスをウェブサービスとして実装しておけば、ほかのシステムでも再利用できます。

 実際に、SOAを利用するには、ワークフロー管理ツールやビジネスプロセス管理ツールと呼ばれるツールを利用します。こうしたツール上で、ウェブサービスとして提供されている業務プロセスを組み合わせて、ワークフローを作成すれば業務システムが完成します。「BPEL(ビジネスプロセス実行言語)」と呼ばれるワークフロー記述言語の標準化も進んでいます。

 このようなシステム構成にすることによって、開発期間の短縮やシステム投資の削減といった利点が生まれます。

◆課題
標準化が課題に

 基本的な技術の標準化は進んでいるものの、課題も残っています。SOA対応のシステムを構築するには、サービスをどのような単位で実装するかが重要な課題だからです。ここが標準化されていないと、複数のサービスの間でデータをやり取りできなくなるからです。

 ただし、この標準化は簡単には実現できません。というのは、ビジネス上のルールや業務プロセスの単位が、企業によって異なるからです。この単位は、「粒度」と呼ばれます。現在、どのような粒度が適切なのかといったことの研究が進んでいるところです。標準化には、まだ数年かかると見られています。

(西 雄大)