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メーカーと小売店が在庫削減や欠品防止のために協力し、それぞれが出した商品の需要予測結果を持ち寄って的確に在庫を補充していく取り組み。

 「来週、この商品は何個用意しておけば間に合うのか?」。商品を供給するメーカーは、いつも自問自答しながら商品の需要予測を続けています。同じように、販売側の小売店も、「明日、この商品は100個売れそうだな。100個注文しておこう」といった具合に、店舗にある一つひとつの商品の売れ行きを予測しながら商品を発注しています。

 メーカーの営業担当者と小売店の仕入れ担当者(バイヤー)が商談の席に着いたときも、こうした会話が繰り返されます。ときには互いの需要予測結果を見せ合って意見交換し、在庫がたまらず欠品も出ない売り場を一緒になって作っていこうとします。

 こうしたメーカーと小売店の共同作業を、単に担当者レベルではなく、企業が組織ぐるみで取り組むことが「CPFR」と言えます。

 CPFRは「共同で(Collaborative)計画(Planning)や予測(Forecasting)をして、在庫を補充(Replenishment)する」という意味です。「需要予測と在庫補充のための共同事業」と訳します。

◆効果
両社の協力関係が不可欠

 企業にとって、将来の計画はトップシークレットです。どの商品を何個製造するか、あるいは、これまで何個売れたから次に何個売りたいかといった情報は、取引先であっても詳細を明かせないというのが、従来までの企業の一般的な姿勢でした。

 それがここ数年で、企業のスタンスが変わりつつあります。在庫削減や欠品防止が急務となり、これまで社外秘だったPOS(販売時点情報管理)データなどを取引先に公開してでも対策に乗り出す企業が増えてきたからです。

 情報を公開して売り場の品切れを減らせるなら、顧客に迷惑をかける機会は減り、結果としてその店舗への顧客ロイヤルティー(忠誠度)は上がるでしょう。

 こうした発想から、メーカーとのCPFRを始めて成功した企業が米ウォルマート・ストアーズです。ウォルマートは顧客のために役立つ情報は何でも取引先に公開し、メーカーと共同で売り場を作っています。自社の商品のことを一番良く知るメーカーの力を借りて、適正在庫を保つことにしました。

◆事例
イオンが取り組み開始

 国内ではイオンが9月から、自社ブランド「トップバリュ」の約400品目と2社のナショナルブランドの一部商品を対象にしたCPFRのための新システムを稼働させます。取引先とCPFRに取り組んで毎週の需要予測精度を向上させ、需要計画の立案や在庫補充に役立てるのです。結果を見ながら、来春以降は対象商品や取引先を拡大していく予定です。

(川又 英紀)