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 直訳すると、災害復旧。IT用語としては、「地震や火災といった災害によって大規模なシステム障害が発生した際に、素早くシステムを復旧するための仕組みや組織体制」を意味する。日本では主に地震や通信障害への対策ととらえられてきた。2001年に起こった米国同時多発テロ以降は、その重要性が再認識されている。

 ディザスタ・リカバリは大きく分けて「システムのバックアップ/リカバリ対策」と「業務継続(ビジネス・コンティニュイティ)計画の立案」の二つからなる。

 このうち前者のシステムのバックアップ/リカバリ対策は、災害でサーバーなどが正常稼働できなくなった場合に備えた技術上の対策。データ・バックアップやサーバーの2重化によって、本番系のサーバーが停止しても待機系が処理を続けられるようにする。

 後者の業務継続計画の立案は、災害時の指揮系統/連絡方法の整備や執務場所の確保といった、組織体制面の対策が中心である。

 程度の差はあれ、システムのバックアップ/リカバリ対策は、ほとんどの企業が実施している。最近は、地震対策や停電対策がしっかりしたデータセンターにシステムを預ける企業が増えてきた。

 バックアップの主流は、前日分までのデータを磁気テープに保存し、遠隔地の倉庫に保管するというもの。災害でサーバーが物理的に破壊されたときは、復旧に短くても数日、長いと数週間かかる。

 システムを数時間、もしくは数分で復旧させるため、サーバーを2重化して遠隔地に設置する方法がある。拠点間をネットワークで接続して最新のデータを常にバックアップしておく。さらに、災害時に待機系を利用できるようネットワークを整備する。大手金融機関の基幹系システムなどは、10年以上前から、この種の遠隔バックアップによる災害対策を施している。

 遠隔バックアップの問題は、初期費用やランニング・コストが高いこと。普段は使わない待機系にも、本番系とほぼ同じ構成のハードを用意しなければならず、初期費用が高くつく。大量のデータを送信するため、本番系と待機系の間を高速ネットワークで結ぶ必要もあり、月々の通信費用も無視できない額になる。

 ただし、状況は改善しつつある。ハードウエアが安価になったうえに、ネットワーク・サービスの料金が急激に下がったからだ。一昔前に比べれば、格段に安いコストで遠隔バックアップを実現できる。

 一方で、業務継続計画の重要性が高まっている。システムが稼働し続けても、従業員が使える状態になければどうしようもない。最近では外資系を中心に、メイン・オフィスから20~30km離れた地域に、災害時用オフィスを開設する企業が増えている。メイン・オフィスとほぼ同等のクライアント機や通信設備などを設置する。

(鈴木)