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企業が社会の一員として果たさなければならない責任のこと。顧客や株主、取引先、従業員だけではなく、社会全体の利益につながる行動が求められる。

 企業は事業活動を通して、顧客や株主、取引先、地域住民など、多くの利害関係者に影響を与えています。こうした利害関係者に利益を提供するため、果たすべき責任が「CSR(企業の社会的責任)」です。企業の価値を決定する新たな指標になりつつあります。

 CSRが注目されている背景には、企業は社会の一員として貢献しなければならないという理念が浸透してきたことが挙げられます。環境保護や社会貢献などの活動は、企業にとって不可欠になってきています。

 ISO(国際標準化機構)がCSRの国際規格化を進めており、企業の取り組みを客観的に評価できる環境が整いつつあります。

◆効果
企業価値向上に直結

 ISOは2001年4月からCSR規格化の可能性調査を開始。現在、国際規格化を進めるうえでの懸案事項の整理や分析を進めています。2004年4月までに作業を終える方針です。

 ISOによる規格化が実現すれば、顧客や取引先はCSRに熱心な企業とそうでない企業を見分けることが可能になります。CSRの国際規格を取得した企業が評価される一方で、未取得の企業は顧客や取引先などから「企業としての責任を十分に果たしていない」と見なされる可能性もあります。CSRの向上は企業の新たな課題になっています。

 すでに、CSRの観点から企業を評価する動きが出始めています。投資先を決める際、財務以外に倫理や環境といった観点を配慮に入れる「社会的責任投資(SRI:ソーシャリー・レスポンシブル・インベストメント)」という投資方針がその1つです。

◆事例
リコーが取り組み推進

 CSRの重要性が高まっているのを受けて、積極的に活動を進める企業が出始めています。なかでもCSR対策に力を入れているのがリコーです。

 同社は2003年1月、社長直轄のCSR室を新設しました。環境対策や社会貢献などの活動をグループ全体で横串に展開するのが狙いです。それまでは社会環境本部や社会貢献室といった部署が取り組んできましたが、グループ全体で活動を取りまとめる機能が弱いという問題がありました。

 このほかの企業も環境保護などの活動でCSR向上に努めています。例えば、ユニ・チャームは、材料調達から廃棄までに製品が環境に与える負荷の度合いを把握する評価手法を展開中。環境に負荷を与える工程を明確にして、効果的に活動を進めるのが狙いです。

長谷川 博=日経アドバンテージ編集