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企業の情報化投資促進のために創設された税制。パソコンやサーバーなどの対象商品を購入した場合、法人税を削減できる。適用期間は今年1月から2006年3月。

 昨年12月、与党3党は2003年度税制改正大綱を発表しました。今回の税制改正大綱のなかで、企業の情報化投資を促進するために組み込まれたものが「IT投資促進税制」です。適用期間は今年1月から2006年3月までの3年3カ月。今年6月閉会予定の通常国会における審議が終了した段階で、今年1月にさかのぼり適用される予定です。

 IT投資促進税制の対象となるのは、パソコンやサーバーなどのハードウエアと業務利用を目的としたソフトウエアです。上限は法人税額の20%で、超過分は1年間繰り越しできます。

 資本金3億円以下の中堅・中小企業の場合、ハードの取得価額が140万円以上、ソフトの取得価額が70万円以上であれば利用可能です。減税の規模は6000億円の見込みで、IT関連の税制としては過去最大になります。

◆効果
法人税の負担額軽減

 IT投資促進税制では、「10%の税額控除」(取得価額の10%を法人税から差し引ける)か、「50%の特別償却」(取得価額の50%を通常の原価償却費に加えられる)のどちらかを選べます。

 例えば、20万円のパソコンを50台購入した場合を考えてみましょう。この場合、取得価額は1000万円となります。10%の税額控除を選べば、その年度の法人税を100万円減額できます。一方、特別償却であれば、取得価額の50%である500万円を前倒しで費用に計上することで、取得年度の法人税を150万円(普通法人の場合は税率30%)削減できます。

 IT投資促進税制の特徴は2つあります。1つは、ソフトへの投資も税制の対象に加えたことです。これまでのIT関連の減税制度は、ハードへの投資だけを対象にしていました。

 もう1つは、中堅・中小企業が税制を利用しやすくしている点です。資本金3億円以下の企業に限って、リースも税制の対象に加えました。年間のリース額がハードで200万円以上、ソフトで100万円以上の場合、購入時と同様に税制を利用できます。経済産業省は、「中堅・中小企業のIT投資を底上げできる内容にすることを重視した」としています。

◆課題
投資見直しの機会に

 現在、専門業者のソフトをインターネット経由で利用するASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)や、システムの運用などを外部委託するアウトソーシングが普及しつつあります。しかし、今回の税制では、これらは対象に含まれませんでした。税制では、対象となる商品やサービスを厳密に定義する必要があり、明確な「線引き」ができないために見送られたそうです。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp