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情報化のポリシーとルール、さらにそれを実践するための体制を整備する取り組み。社内のIT(情報技術)資産の標準化や、情報の流れを統治する活動を指す。

 「情報ガバナンス」という言葉は、様々な意味合いで使われています。社内のパソコンに搭載しているOS(基本ソフト)やオフィス・ソフトの種類、ソフトのバージョンを標準化する取り組みを指す場合もありますし、文脈によっては情報の管理ルールを明確にするセキュリティ・ポリシーと同義で使われることもあります。

 こうした取り組みのそれぞれが情報ガバナンス全体を表すわけではありませんが、情報ガバナンスを実践するうえで必要な作業になっています。

 情報ガバナンスを一言で表現すれば、「社内にある情報を、必要としている人に対して、適切なタイミングで提供するためのルールや体制を整備する」ということになります。

◆効果
収益に直結する

 このルールや体制には、情報が必要でない人、すなわち情報を入手できてはいけない人に対する参照権限を制限することも含まれますし、情報を効率よく提供するためのシステム化も含まれます。社内で情報を素早く共有するためには、OSやソフトの標準化も必要になります。

 こうした取り組みが重要視されるようになった要因は大きく2つあります。1つは、インターネット技術の浸透によって、従来は専用の端末やソフトウエアがなければ参照できなかった情報でも、ウェブ・ブラウザを利用すれば見られるようになったこと。例えば、顧客情報を他部署の社員が参照できるような状態になっていれば、情報漏えいを引き起こしかねません。

 もう1つの要因は、新しいビジネスモデルを実現するための情報化が重要になってきたことです。現場にいる社員の意識や行動を変えるためには、変革を喚起するための情報が不可欠。そのためには、提供する情報の質やタイミングを変えることが必要ですし、場合によっては新たな情報を収集するためのシステムを構築しなければなりません。

 いずれの要因も、企業の収益に大きな影響を与えるものです。

◆事例
専門組織を設置

 松井証券は昨年6月、情報システムを中心とするリスクの管理と効率性を検証する専門組織「BPR部」を新設しました。BPR部は、システムの調査計画を立て、現場と協力して調査・分析、さらには業務改善提案などを実施する部署です。情報ガバナンスの専任部署といっても過言ではありません。

 IT(情報技術)経営が本格化した現在、こうした部署やCIO(情報戦略統括役員)が中心となって全社の情報ガバナンスを推進することが勝ち残りの条件の1つだと言えます。

吉川 和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp