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企業経営の監視・チェック機能を高めることによって、経営の透明性と効率を高め、株主にとっての企業価値を最大化するための手法。「企業統治」と訳す。

 社外の人と会ったとき、「執行役員兼〇〇事業部長」といった肩書きの名刺をもらったことはあるでしょうか。あるいは企業の役員一覧を見て「この人は確か、別の会社でも役員だったなあ」と思ったことがあるのではないでしょうか。

 取締役会の改革に取り組む企業が増えています。各社の狙いは「コーポレート・ガバナンス」(企業統治)の強化、という表現でまとめられます。

 独立性の高い立場から経営を監督できるようにして企業経営の透明性を高め、経営陣の暴走を防ぎ、株主にとっての企業価値を高めようとする手法を言います。

◆効果
経営の透明性高める

 コーポレート・ガバナンスが注目されている背景には、経営環境のグローバル化があります。

 伝統的に、日本企業の経営は内向きで、かつ不透明だと言われてきました。取引先や金融機関と株式を持ち合ってきたため「モノ言わぬ大株主」が多く、さらにお目付け役である監査役も身内出身が多いので、厳しい経営チェックにさらされることが少なかったのです。余計な波風を立てたくないという姿勢から、総会屋への利益供与といった不祥事も起こりました。

 しかし近年、外国資本による日本企業への投資が増えるとともに、経営の透明性を求める声が強まってきました。「企業は(資本を提供している)株主のものであり、経営者は企業経営に関して株主に責任を負う」という意識が広まったのです。

 業績の悪化や不祥事、違法行為などがあれば当然、企業の社会的評価は下がり、株主は損害を受けます。これを防ぐため、例えば執行役員制度による監督役と執行役の分離や、社外取締役など第三者による経営チェックなどが実施されています。商法もコーポレート・ガバナンスを強化する方向へ、ここ数年で大きく改正されています。

◆事例
各企業が最適解を模索

 ただ、日本よりコーポレート・ガバナンスの考え方が浸透している米国でも昨年来、エンロンなど大手企業が相次ぎ不祥事を起こしています。

 コーポレート・ガバナンスは欧米型・日本型といった単純な解があるのではなく、各社がそれぞれに合った手法を模索していくものと言えるでしょう。例えば米ゼネラル・モーターズ(GM)は独自のコーポレート・ガバナンス・ガイドラインを公開しています。日本でもソニーや帝人、HOYAなど多くの企業が、役員数の削減、社外取締役の任命、積極的な情報開示などを通じて、経営の透明性・収益性の向上を目指すことを標ぼうしています。

秋山 知子 takiyama@nikkeibp.co.jp