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オフィスの定型的な業務手続きの流れを情報システムで実行・管理すること。りん議や決裁、各種の申請、文書の回覧などを電子的に処理する。紙を電子化することで事務処理を効率化できるほか、進ちょく状況を一目で把握できるなどのメリットがある。ただし、最大限の効果を発揮させるには、業務改革を同時に行うことが不可欠だ。

 「ペーパーレス」という言葉はすっかり定着した感がありますが、多くのオフィスでは、依然として業務手続きのために紙が飛び交っているのが実情です。交通費や立て替え経費の申請といった日常の細々とした処理のほか、プロジェクトの予算や設備投資の承認など、企業の行方に大きくかかわるものも含め、あらゆるところに紙の流れが付きまといます。

 こうした業務手続きにかかる手間は無視できません。「りん議書の表紙を30数個の赤いハンコが埋め尽くす」「スタンプラリーのように、全国に散らばる承認者を訪ねて回る」といったウソのような話もちらほら聞こえてきます。もちろん、その裏には膨大なコストが潜んでいます。

 「ワークフロー」とは、文字どおり「仕事(ワーク)の流れ(フロー)」を表す言葉です。非効率なオフィスの定型業務を、IT(情報技術)を使って合理化するのがワークフロー管理の基本的な考え方です。このためのソフトウエア製品が多数出回っており、グループウエアの基本機能になっています。EC(電子商取引)事業者がサービスの一環として、受注サイトに購買申請などのワークフロー管理機能を組み込んでいる例もあります。

◆効果
業務手続きの生産性を向上

 紙のやり取りを電子化することで、紙の移動がなくなることに加え、手続き内容を複数の関係者に同報したり、逆に多数の関係者から集まる申請を一括処理したりすることが可能になります。これらによって事務作業はスピードアップします。業務の流れを逐一記録するため、進ちょく状況がひと目で分かるのもワークフロー管理のメリットです。どこで業務が滞っているのかを把握できるほか、事後に業務の詳細を検証するのも容易です。

 しかし、ワークフロー管理システムの導入が必ずしも業務の効率化につながるとは限りません。冒頭のように30人もの承認が必要なりん議をそのまま電子化しても、全員の承認がそろうには時間がかかります。

◆事例
業務改革を併行して効果倍増

 あさひ銀行は、電子りん議システムを導入するに当たり、決裁者を絞り込んで、従来は平均14日かかっていた役員決裁のりん議を4.4日に短縮しました。

 村田製作所は、一般的には電話などで行うことが多い決裁のための議論を、電子りん議システムで処理するように義務づけています。議論の過程を確実に記録に残すことで、あとで判断の妥当性を検証できるようにしているのです。

 具体的なシステムとしては、社内ポータルと融合する動きが盛んです。大日本印刷は、全社員が常時参照している社内ポータルの画面に、電子りん議システムを組み込みました。

清嶋直樹 nkiyoshi@nikkeibp.co.jp