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通信衛星を利用して現在位置を測定するシステム。専用端末で地球の周囲にある複数の通信衛星から電波を受信して位置を割り出す。GIS(地理情報システム)と連動して使われるケースが多い。最近では自動車メーカーや通信業者が、自社の商品やサービスを強化するのに活用している。

 2001年10月に開催された東京モーターショーでは、自動車に搭載する情報端末が目玉の1つとなりました。米ゼネラル・モーターズ(GM)が出品したシステムは、カーナビゲーション・システムの機能を強化したもので、車両の現在位置をもとに周辺のレストランといった情報をサービスセンターの担当者が端末の通話機能を通して提供します。搭乗者は周辺の交通情報や店舗情報をリアルタイムに入手することが可能になります。

 その時点で最適な情報を提供するためには、車両の現在位置を正確に測定することが不可欠です。高精度な位置測定を実現するために利用しているのがGPS(全地球測位システム)です。

◆事例
トヨタやGMが活用

 トヨタ自動車は2001年10月に、GPSを利用した自動車向け情報サービスの分野で、GMと提携しました。GMは、すでに米国で150万台の情報端末を出荷しており、走行中の搭乗者に対して周辺のレストランやホテルなどの情報を提供する「オンスター」サービスを展開しています。

 今回の提携によって、ハードやサービスの相互利用を進めて、良質で安価なサービスを提供することがトヨタの狙いです。トヨタも来年をメドに、搭乗者への情報提供サービス「G-BOOK」を提供するとともに、専用の端末を発売することを目指しています。

 自動車業界以外でも、GPSを利用して自社のサービスや商品を強化しようという動きが目立っています。その1つが通信業者のKDDIです。同社は2001年12月にGPS技術を採用した携帯電話を発売。これに伴って携帯電話の画面上で自分の位置を確認したり、目的地までの最適経路を検索できるサービスを開始しました。コンテンツ(情報の内容)の充実によって新規の契約者を増やすことが狙いです。

 警備会社でもGPSを有効活用する企業が出始めています。セコムはGPSを搭載した専用端末を持った人や車両の位置を測定して、状況に応じて警備員が駆けつける「ココセコム」というサービスを2001年4月に開始しました。これまでは契約者の住宅を対象にしたセキュリティサービスを提供していましたが、GPSを利用することで事業領域を拡大しています。

◆技術
衛星で位置を測定

 GPSは地球の周囲にある通信衛星からの電波によって現在位置を把握します。この通信衛星は米国防総省が打ち上げたもので、地球のどこからでも常に4個以上が利用できます。通信衛星は軌道情報などのデータを電波に変換して送信。GPSは通信衛星の軌道と電波が届くまでの時間をもとにどこにいるかを判断します。

 GIS(地理情報システム)と連動していれば、画面上にGPSを持った人や車両の現在位置が表示されます。既存のカーナビも、この仕組みを利用しているのです。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp