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図 ネットワーク上のデータの流れを表す言葉
図 ネットワーク上のデータの流れを表す言葉
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 トラフィックとは,ネットワーク上のある地点を流れるデータの量を指す。もともと人あるいは車の往来や 交通(量),乗客数などを指す言葉だが,ネットワークの世界では,主に運用や管理の際に,ある地点における通信の「量」を示す言葉として使う(図)。

 ただし,2台のパソコン間で一組のアプリケーション同士が通信しているときの通信量をトラフィックとはあまり呼ばない。もともとの往来や交通という意味に合わせて,さまざまな種類や向きのパケットが行き来している状態での通信量というニュアンスで一般に使われる。つまり,複数のパソコンが混在するネットワークで,途中の経路上にあるルーターなどに合流したり分岐しながら流れる雑多なパケット全体をある地点で測った量がトラフィックだ。

 トラフィックと似たイメージでよく使われるネットワーク用語として,「フロー」と「ストリーム」がある。いずれも流れを表す意味の単語で,主に2点間の通信におけるある方向へのデータの流れや流量を示す言葉として使われる。例えば,LANスイッチのカタログなどを見ていると,「フロー制御」という用語がよく出てくる。これは,大量のパケット(MACフレーム)が流れ込んできて処理し切れなくなりそうなときに,LANスイッチがパソコンに対してデータ送信を一時的に止めるように通知して流量(フロー)を制御するしくみだ。

 ストリームは,一般にフローよりも「連続的なデータの流れ」というニュアンスをより強く押し出したいときに使われる。例えば動画配信などで使うストリーム型通信(ストリーミング)という言葉は,サーバーからパケットが絶え間なく流れてきて,それをクライアントが逐次再生する通信方式を指す。TCPで通信する際に,通信相手に対して連続的に送るTCPパケットの集団のことも(TCP)ストリームと呼ぶ。

 トラフィックはネットワークの通信量だが,速度を表す用語もいろいろある。単に速度と書く場合もあれば,「伝送速度」や「スループット」,「帯域」と書いてあるケースもある。伝送速度は,一般には単位時間当たりの信号/データ転送量を意味する言葉だ。回線が信号を伝えられる最大伝送速度のいわゆる理論値を指すことが多い。これに対となる言葉がスループットで,“実際にやりとりした”単位時間当たりのデータ転送量を意味する。帯域は,伝送速度のうち実際にデータ転送用に確保する速度,あるいはその割合を意味する場面で使う単語である。