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図 WiMAXには用途の異なる二つの仕様がある
図 WiMAXには用途の異なる二つの仕様がある
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 電波は数十km先まで届き,速度は最大75Mビット/秒。しかも,携帯電話よりも低料金でサービス提供できる——。そんな触れ込みで注目を集めている無線通信技術が「WiMAX」(worldwide interoperability for microwave access)である。

 WiMAXは,無線を使った都市部向けのネットワーク技術を開発しているIEEE802委員会のワーキンググループ「IEEE802.16」で標準化作業を進めている技術。用途別に2種類の規格がある。それは,固定局向けのIEEE802.16-2004とモバイル向けの規格を追加した同16eだ(図)。IEEE802.16-2004は2004年6月に標準化済み。一方のIEEE802.16eは標準化の最終段階にある。

 変調方式にはOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)をベースとした技術を採用する。個々のユーザーの電波は,異なる周波数を使うFDMA(frequency division multiple access)もしくは時間をずらして使うTDMA(time division multiple access)で区別し,異なる周波数で送信と受信を行うFDD(frequency division duplex)もしくは細かく区切った時間を交互に送信と受信に使うTDD(time division duplex)で全2重通信を実現する。

 WiMAXでよくいわれる75Mビット/秒という伝送速度は,最大の帯域幅(20MHz幅)を使い,最高の電波状況で実現可能な理論値。しかも,一つのエリアでやりとりされる伝送容量の合計である。この値は,帯域幅が10MHzになれば半分になるし,電波条件が悪くなれば下がる。また,同時に通信する端末が増えれば,それだけ端末当たりの伝送速度は低くなる。さらに,モバイルWiMAXで必要となる上記機能を盛りこむことでも,速度は落ちる。

 現在標準化最中のモバイルWiMAXの規格を実用化した場合,一つエリアでやりとりできるデータ量は,1Hz当たり1.5ビット/秒くらいの効率になると予測されている。さらに,10MHz幅の利用がメインになる見込みだ。つまり,モバイルWiMAXのエリア合計の伝送速度は15Mビット/秒程度になる。