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環境保全活動のコストや効果を定量的に把握するための手法。環境対策のコストと、省エネ効果など実益のバランスを取る意思決定に役立てる。

 環境保護に関心を持つ一般消費者は、もはや珍しくありません。これに伴い、環境保全活動に取り組む企業が増えています。

 とはいえ、環境対策は収益に直結しないように見えがちで、企業にとって推進するモチベーションがなかなか上がらないものです。そこで、活動の成果を金額に換算し、費用対効果を検証するための手法が「環境会計」です。

◆効果 成果を金額に換算

 環境会計を用いて数字を出す目的は2つあります。1つ目は企業として社会に対して説明責任を果たすこと。そして2つ目は、環境対策にかけるコストの意思決定を行うためです。

 環境会計には3つの構成要素があります。

 (1)環境保全活動に必要とした「環境保全コスト」、(2)その活動で得た「環境保全効果」および(3)「環境保全対策に伴う経済効果」―です。

 環境保全コストは、大気汚染防止、騒音防止、省エネ対策、環境にやさしいグリーン製品の購入のための通常製品との差額コストや、廃棄物リサイクルのコストを含みます。

 環境保全効果は、環境保全コストを投じた成果を重量などの物量で表現します。例えば、水の消費量が前期に比べて今期はどれだけ減ったかなどです。

 環境保全対策に伴う経済効果は、環境保全活動の成果を企業自身にとっての金銭的なメリットに換算したものです。電気料金や水道料金の削減費、廃棄物処理費の削減額などを集計するのが一般的です。

 環境保全活動の経済効果を網羅的に把握する手法として有力なのが、「マテリアルフローコスト会計」です。これは、原材料を投入してから最終製品が出来上がり、そして廃棄物が廃棄処理されるまでの一連のフローにおいて、製品として出荷されない廃棄物をすべて「負の製品」とみなすことで、包括的にコストを算出する手法です。負の製品を製造するのに費やされたエネルギーや原材料コスト、さらに設備費や人件費なども廃棄分に配賦して集計します。

◆事例 投資効果を把握

 マテリアルフローコスト会計を国内で最初に実施したのは電子部品関連の材料メーカー、日東電工です。2000年9月から同会計を電子部品用粘着テープの製造工程に適用しました。その結果、廃棄物関連の環境コストは同製品売上高の15%程度にも達することが分かり、数千万円のコストを投じて、製品の切断工程や梱包方法を改善しました。

 田辺製薬も山口・小野田工場で2000年4月~2001年3月に同会計を実施。2003年5月に初期費用6610万円を投じてクロロホルムの吸着回収装置を導入しましたが、1年で元が取れることを同会計で事前に把握しました。