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 VHF(Very High Frequency)は,超短波帯(30M~300MHz)の周波数の電波をいう。また,UHF(Ultra-High Frequency)は,極超短波帯(300M~3000MHz)の周波数の電波をいう。

 放送では,ラジオのFM放送や地上アナログ放送がVHF帯を,地上デジタル放送と地上アナログ放送の一部がUHF帯を使用している。具体的には,地上デジタル放送はUHF帯の470MHz~770MHzの電波を使用する(図1)。

図1 周波数帯と利用状況

 2006年秋ころに開始する予定の地上デジタル音声放送(デジタルラジオ)では,VHF帯の地上アナログ放送で使用していないチャンネル(7chまたは8ch)を使用する。また,2011年に地上アナログ放送が停波した後は,地上アナログ放送で使用していたVHF帯のチャンネル(周波数)を使用する予定である。

 VHF/UHFの電波の伝搬の特徴は,電離層では反射しないこと。空間波による見通し範囲の通信が基本となる。夏場などに発生するスポラディックE層やラジオダクトによる異常伝搬で,遠くの放送局の障害を受けることがある。

 地上デジタル放送で使用するUHF帯の電波は,伝搬上,ビルなどの建物や山などによる影響を受けやすく,それらにより反射したり,回折したりすることがある。直接波だけを受信できる場合は問題ないが,反射波や回折波がある場合は,伝搬路の長さが異なるため,遅延が発生し,アナログ放送でいうゴーストが発生する原因となる。

 そこで,デジタル放送では,このマルチパス(直接波以外に反射波や回折波などの伝搬路をマルチパスという)による障害を回避するために,信号の伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing,直交周波数分割多重)方式を採用している。