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 旅行者が荷札型の無線ICタグを取り付けた手荷物を自宅で宅配業者に預けると、渡航先の空港まで手荷物を引き取ることなく旅行できるシステムのこと。日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)などが参加するASTREC(次世代空港システム技術研究組合)が、2004年3月から2005年3月まで新東京国際空港(成田国際空港)で実証実験を実施した。2006年夏の本格的な実用を目指しているが、既にJALは「JAL手ぶらサービス」、ANAは「ANA手ぶらサービス」という名称で、成田発の国際線の一部にサービスを提供している。

 サービスの流れは以下の通り。旅行者は出発の数日前(居住する地域や出発空港などによって異なる)までに、空港宅配業者に手荷物の引き取りを依頼する。同時に出発日や搭乗便名などを伝える。空港宅配業者から連絡を受けた提携宅配業者は、旅行者の自宅を訪問して手荷物を預かる。その際、ICタグを埋め込んだ専用の配送伝票を手荷物に張る。ICタグにはあらかじめ出発日、搭乗便名などの情報を書き込んである。

 旅行者の手荷物は通常の荷物と同様に仕分けされ、空港宅配業者の集配センターに運ばれる。ここでは伝票に印字されている通常のバーコードに従って手荷物を仕分け、配送する。ICタグは出庫状況の管理に使う。

 空港宅配業者は受け取った手荷物をJALやANAに引き渡す。JALやANAは手荷物に爆発物が含まれていないかなどを検査し、結果をICタグに書き込む。

 検査済みの手荷物は航空会社のチェックインカウンタの裏に設けた専用スペースに一時保管される。出発当日、旅行者が搭乗手続きを終えると、航空会社のチェックインシステムにその旨が通知される。JALやANAの担当者はシステムで「搭乗手続き完了」を確認し、手荷物を仕分け用のベルトコンベヤに載せる。その後、到着地や搭乗便を記したバーコードに従って手荷物を飛行機に載せる。ここから先の取り扱いは一般の荷物と同じである。

 現在利用しているICタグの周波数は13.56MHz。成田国際空港は2006年後半をメドに、UHF帯ICタグを利用した手ぶら旅行の実証実験を行う予定だ。ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港を運営する米PANYNJ(ニューヨーク・ニュージャージー港湾管理委員会)と協力する。

関連キーワード●トレーサビリティシステム、電子タグ実証実験事業




本記事は2005年12月26日発行のムック「無線ICタグ活用のすべて」(詳細はこちら!)の記事を基に再編集したものです。