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パソコンやサーバー用OS(基本ソフト)の一種。フリーソフトウエアとして配布され、特に法人向けサーバー用OSとして広く使われている。

 パソコンやサーバー用のOS(基本ソフト)である「リナックス(Linux)」の最初の公式バージョンが発表されたのは、1991年10月です。当初の開発者はフィンランドのリーナス・トーバルズ氏。その後、世界中の多くのボランティア開発者によって機能改善が加えられました。

 それから15年がたった今、リナックスは特に法人向けサーバー用OSとしてすっかり定着しました。調査会社であるガートナー ジャパン(東京・目黒)の調べによれば、2005年の国内サーバー市場におけるシェアは出荷台数ベースで18.6%を占め、台数は前年比で約4割伸びています。金融機関や行政機関などが、高い信頼性が要求される分野でもリナックスを採用し始めています。例えば、法務省は2008年ごろの稼働を目指す次期登記情報システムでリナックスを採用します。

◆効果 初期投資や柔軟性で優位

 リナックスは無償でコピーや再配布ができるフリーソフトウエアです。市場では使い勝手や信頼性を向上させるツールを加えるなどした「ディストリビューション」というパッケージが流通しています。世界中に数十~数百種類のディストリビューションが存在。中には無償のものもありますが、企業がリナックスを使う場合、ソフトベンダーが提供する「レッドハット・リナックス」「ミラクル・リナックス」といった有償パッケージを使うのが一般的です。

 有償でも、ウインドウズやほかのUNIX系OSに比べて初期投資が安く済むケースが多いでしょう。ただし、システム構築後の運用コストも含めた場合に安く済むかどうかは、慎重な検討が必要です。システム全体に占めるOS購入費用はごくわずか。リナックスに精通した技術者を確保できるかどうかなども考慮すべきです。

 実際にリナックスを選択する企業は、コストだけに注目しているわけではありません。「オープンソース(ソース=ソフトの設計図が広く開示されている)であるため容易にカスタマイズできる」「特定のベンダーに囲い込まれるのを避ける」といった点を重視しているようです。

◆事例 格安手数料を実現

 2006年5月にサービス開始したネット証券のGMOインターネット証券(東京・渋谷)は、証券取引システムにリナックスを全面採用しました。

 リナックス以外にもオープンソースソフトウエアを多く採用し、システム開発費用を5億円程度に抑えました。「同等のシステムをUNIXベースで開発すると、20億~30億円程度かかる」(同社)といいます。格安の取引手数料で後発の不利を補うための大きな武器になっています。