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チームのムードやメンバーの気持ちを見える化する手法。ソフトウエア開発や設計など、個人作業が多いプロジェクトの管理に有効である。

 ブルーカラー職場の「見える化」といえば、管理項目の数値化を徹底したり、作業現場を整理整頓したりして異常の発見に努めるのが通例です。しかしソフトウエア開発や設計など、個人のやる気が大きく生産性や品質を左右するホワイトカラー職場では、これとは別の見える化も必要です。

 ホワイトカラー職場は、従業員それぞれが個人で作業を進める比重が高いという特徴があります。ところがソフト開発といったプロジェクトでは、従業員が「弱音を吐いてはいけない」と問題を1人で抱え込んで、トラブルが深刻化したりします。作業品質や効率の低下を防ぐには個々の従業員の顔色を把握することが重要なのです。

 そこで、気分を可視化する「ニコニコカレンダー(以下、ニコカレと略す)」という管理手法が生まれました。2005年に富士通ソフトウェアテクノロジーズ(横浜市)の黒田幸子氏が発案し社内で運用していたところ、社内外で高く評価され、ソフト業界を中心に口コミで広く知られるようになりました。

◆効果 異変を知るきっかけに

 ニコカレは紙1枚とシールさえ用意すればどんな職場でも手軽に始められます。まず職場の目立つ場所に、縦にメンバー名の一覧、横軸に日付を書いた大きな紙を張り出します。それと、気分を表す3~4種類のシールを用意します。例えば、「黄色の笑顔マーク」「赤色のぼちぼちマーク」「青色の憂うつマーク」といった具合です。

 そして個々の従業員が、毎日の帰宅前に、一日を振り返って、シールを張っていきます。フェースマーク欄の下には残業時間も記録すると、より状況が具体的になります。

 例えば、憂うつなマークを張り続けるメンバーがいれば、体調の異変や技術上のトラブルなど何らかの問題を抱えている可能性があるわけです。ニコカレ発案者の黒田氏によれば、毎日の朝会で現場リーダーが前日夜のフェースマークを見て、「何かあったの?」と声をかけるなど、誰かがきちんと反応することが活用の鍵です。

◆事例 草の根で研究進む

 富士通ソフトは同手法について「商標などの権利を取る予定は一切ない」(同社人材開発部の坂田晶紀課長代理)としています。このため、他社の技術者からも、実はうちでも実践している、という声が同社に寄せられることが増えているそうです。ニコカレの機能を搭載したプロジェクト管理ツールも他社から登場しました。ニコカレを研究する草の根コミュニティーは大手SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のミクシィにあり坂田課長代理も参加しています。