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地図データと地図上の位置に関する属性データを組み合わせて分析に用いる地理情報システムを指す。企業が出店や物流の戦略を練る際に使われる。

 地図がデジタル情報として流通するようになったことで、使い勝手は大幅に向上しました。カーナビゲーションシステムで当たり前のようにサービスステーションやファミリーレストラン、コンビニエンスストアの位置と道順を検索できるのもこのおかげです。

 デジタル化された地図情報と、客数動向や世帯動向などを組み合わせることで、企業にとっても役立つ分析ができます。街並みで駅から繁華街に向かってどう人が流れているのか、集客力や商圏はどうなのかといったことを検討する活用法です。

 このようにデジタル化された地図情報を活用する仕組みは「GIS」(Geographic Information System)と呼ばれています。日本語では地理情報システムです。

◆効果 出店計画に不可欠

 消費者のGIS活用に比べて、企業側の利用範囲はより多岐にわたります。中でも顧客や潜在的な顧客の分布図を作り出店計画の策定に生かすのはもはや当たり前の時代です。

 いくつか例を挙げましょう。金融機関では銀行などがATM(現金自動預け払い機)の設置場所を決定するために使います。メーカーの物流担当者や運送会社は商品の集配送のルートを最適化するためにGISを使っています。小売業や外食チェーンでは、出店計画を策定する際にGISが欠かせません。想定する顧客は多いのか、ライバル店は周辺にどれくらいあるのか。優良顧客の住所を地図に落とし込むことで新聞の折り込みチラシなどの広告マーケティングに活用することもあります。

 企業だけではなく、官公庁や自治体もGISを積極的に活用しています。警察は交通事故のデータを分析するためにGISを使っています。また、自治体が火災や土砂崩れ、水害などの防災情報、あるいは住民への公共施設の利用案内のためにGISを活用するといったことも珍しくありません。

◆事例 顧客の分布を知る

 JR東日本の駅ビル内のショッピングセンターを運営するルミネ(東京・渋谷)は、およそ100万人のカード会員を抱えています。2004年11月から運用している「新分析システム」には、住んでいる会員の数が地域ごとに一目でわかるような機能が盛り込まれています。地図に顧客の多寡が色の濃淡で示されるものです。

 顧客が必ずしも近所の店舗を使うとは限りません。通勤や通学の経路によります。店舗が職場に近いのか自宅に近いのかで利用する曜日や時間帯、金額も異なってきます。店舗ごとの顧客がどこに住んでいるかという分布を正確に知ることでより効果的なダイレクト・メールの配布や電車や駅構内での広告出稿につなげています。