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写真 「伽藍とバザール」は,1999年9月に山形 浩生氏の解説入りで翻訳され,書籍として発売されている。光芒社発行。論文の翻訳は,山形氏の<a href="http://cruel.org/freeware/cathedral.html" target="_blank">Webページ</a>で公開されている。
写真 「伽藍とバザール」は,1999年9月に山形 浩生氏の解説入りで翻訳され,書籍として発売されている。光芒社発行。論文の翻訳は,山形氏の<a href="http://cruel.org/freeware/cathedral.html" target="_blank">Webページ</a>で公開されている。
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 複数の参加者が特別な制限を受けずに開発したものを,設計者(コーディネータ)が取りまとめて,1つのものを作り上げていく方式。オープンソース・ソフトウエアの開発手法として知られる。

 元々は,1997年に発表されたEric Steven Raymond氏のオープンソース・ソフトウエアを扱った論文「伽藍とバザール」(The Cathedral and the Bazaar,写真)の中で紹介されている,開発手法の呼び名。論文の中では,伽藍方式と対比する言葉として使われている。

 伽藍方式は,寺院や殿堂などの建築物である“伽藍(がらん)”のように,1人もしくは少人数の集団が統率してソフトウエアを作り上げていく方式とされる。

 対するバザール方式は,参加者が,独自性を尊重された環境において自由に開発を行い,その成果を街頭市場(バザール)のように持ちより,よいものを残しながら1つのソフトウエアを作り上げていく方式とされる。このバザール方式は,成果物を「はやめにしょっちゅうリリース」(「伽藍とバザール」より)して,「なんでもオープンにする」(同)のが特徴である。

 Raymond氏は,「伽藍とバザール」において,伽藍方式と比べた場合のバザール方式のメリットを,よいアイディアを取り込みやすい,効率よくデバッグできる,としている。デバッグについては,Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏の言葉を借りて「目玉の数さえ十分あれば,どんなバグも深刻ではない」(同)と記し,大人数の参加者によるレビューの有効性を説く。Raymond氏は,バザール方式の採用がLinuxの開発を成功に導いたとする。

 Raymond氏はバザール方式による開発を成功させるためには,ベースとなるものが存在する,参加者を募る上で開発するものの良さを示せる,コーディネータが他人の良いアイディアを認識できる,などが必要と指摘している。