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従業員の労働負荷を分析して人員配置を適切に行うことで、サービスの質と人件費抑制の両立、あるいは法令順守を図る手法。コールセンターなどでよく用いられる。

 コールセンターにおける電話対応の質と、人件費をいかに低く抑えるかは、なかなか両立しにくい課題です。例えば、家電製品の問い合わせを受け付けるコールセンターは、まず製品の使用上の疑問に丁寧に対応することが期待されています。しかし、丁寧に対応するには、ある程度、1件当たりの会話時間が長くなることも覚悟しなければなりません。さらに、できれば新たな製品販売につながるようなトークも行って販売店を案内して欲しいとなれば、ますます会話時間が伸びて、必要な要員数が多くなってしまいます。

 こうしたコールセンターの質と、コストを少しでも高いレベルでバランスを取るには、まずは要員が電話を取らずに待っている時間を無くすこと、つまり稼働率を高める必要があります。そこで、こうした稼働状況を分析して事前に必要な要員数を予測する管理作業が「WFM(ワークフォース・マネジメント)」です。

効果◆要員ニーズを分析し、人件費を効率化

 数十人規模の要員を対象にWFMを行うのにはIT(情報技術)ツールが欠かせません。まずは過去のコール数を曜日別、時間帯別や製品種類別に分析して問い合わせ数の分布を予測します。さらにオペレーター一人ひとりの勤務可能時間、担当製品分野といったスキルなどを突き合わせて、適切な要員数のスケジュールを作成します。

 WFMツールの中には、こうした要員シフト作成をほぼ自動的に行ったり、不足要員が発生した場合、必要なスキルを備えた人を自動的にリストアップして募集の告知メールを発信できる機能を備えたものもあります。

 WFMを導入している代表的な分野はコールセンターですが、小売業や飲食業の店員配置においても徐々に注目されています。ここ数年、一部の企業で、店頭スタッフへの残業代割増分の不払い問題が表面化しました。こうしたトラブルを防ぐには、勤怠状況をきちんと記録して分析し、要員シフトを最適化しようという取り組みが必要だからです。

事例◆売り場管理に活用

 大手小売業のイオンは、2003年から稼働させた新勤怠システムに、WFMの機能を盛り込みました。まず各店舗の食料品売り場や衣料品売り場といった売り場ごとに、必要な店員数を週次で計画。さらに週次計画に合わせて、15分刻みで「AさんとBさんはレジ担当」「Cさんは商品整理担当」など業務別にシフトを事前登録し、パートの労働時間を週40時間以内に抑えるようシステムがチェックします。その後マネジャーの目でさらに微調整を実施。こうして法令順守と、人的資源の効率化を図っています。