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ICチップを搭載したカードや携帯電話にお金の電子情報を蓄積し、支払い時に通貨の代わりに使う仮想のお金のこと。主に少額決済に用いられる。

 2007年は、「電子マネー」が本格的に日常生活に根づく歴史的な年になるといわれています。この春、首都圏では、電子マネー元年と呼ぶにふさわしい大規模な動きが連続して起きました。

 電子マネーとは、ICチップを搭載したカードや携帯電話の中に書き込まれた電子的なお金の情報のことです。あらかじめカードや携帯電話に入金(チャージ)しておいて買い物に使うタイプ(プリペイド)と、支払いに使った後にクレジットカードで料金を請求されるタイプ(ポストペイ)の2つに分かれます。

効果◆一瞬で支払い完了

 電子マネー対応のカードや携帯電話を駅の自動改札機や店舗のPOS(販売時点情報管理)レジにかざすだけで、お金の情報が無線で読み取られ、支払い金額が差し引かれます。そして、残金の情報がカードや携帯電話に書き込まれます。その処理時間は1~2秒と短く、財布を取り出して店員にお金を渡し、つり銭を受け取ったり、電車に乗るたびに切符を買うよりも手早く済む場合が多いため、爆発的に普及しているのです。今や電子マネーは数千万人規模で利用され始めており、対応する交通機関や店舗は日増しに増えています。

 まず3月には、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2001年に開発した電子マネー「Suica(スイカ)」と、そのほかの首都圏の主要な鉄道・バス会社が共同で新たに開発した「PASMO(パスモ)」の相互利用が可能になりました。それだけでなく、スイカやパスモに対応した店舗での買い物にも使えます。

 続いて4月には、セブン-イレブンやイオンでも、それぞれ独自の電子マネーが使えるようになりました。セブン&アイ・ホールディングスの電子マネーは「nanaco(ナナコ)」、イオンのそれは「WAON(ワオン)」と呼ばれています。このほかにも、小売店で使える電子マネーとしては先行していたソニー系のビットワレット(東京・品川)が運営する「Edy(エディ)」が8月からローソン全店に導入されるなど、普及に弾みがついています。

事例◆顧客を知る手段

 セブン-イレブンやイオンは自社の電子マネーの利用に応じてポイントを付与するという割引特典により、顧客に浸透を図ろうとしています。これほどまでして両社が電子マネーに力を入れるのは、電子マネーがPOSを超える顧客分析の糸口になると期待しているからです。

 不特定多数の顧客をターゲットにしてきたコンビニエンスストアやスーパーには、これまで広い層の個客別に購買履歴を収集する効果的な手段がありませんでしたが、電子マネーがあれば可能になります。ただし、既存のポイントカードと同様に、割引特典を競う形で価格競争が激化するリスクもあります。