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 「AIR」はAdobe Integrated Runtimeの略である。HTMLやJavaScriptといったWeb関連技術をデスクトップでもできるようにした実行環境または,技術のことである。米Adobe Systems社が開発した。以前「Apollo」と呼ばれていたものだ。

 2007年6月に開発者向けのベータ版が公開され,ついこの2月に正式版が公開された。ただし,WindowsおよびMac OS Xのみ対応で,Linux版のリリースは少々遅れる。ブロガーの間では,2008年の後半にもリリースされるのではないかと噂されている。

 簡単に言うとAIRは,Webブラウザ上で動くFlashをブラウザの外で動かせるようにしたり,JavaScriptなどを使ったWebアプリケーションを,Webブラウザの外で動かせるようにするものである。

 何がうれしいかというと,まず第一に,Webサイトを作る程度の知識があれば,誰だって簡単にパソコン上のデスクトップで動くアプリケーション・プログラムを開発できること。WebアプリケーションはWebブラウザという枠の中でしか動けないため,ローカルのファイルにアクセスしたり,高度な印刷ができないといった制限がある。

 AIRを使えば,Webサイトを作る感覚で高度なデスクトップ・アプリケーションができる。AIRを使ったアプリケーションとしては,米AOL社の「top 100videos」などがある。H.264というビデオ・コーデックを使い,低いビット・レートで高画質な映像を再生している。

 AIRと比較される技術として,よく米Microsoft社の「Silverlight」が挙がるが,厳密には競合ではない。SilverlightはWebブラウザの拡張機能であるため,AIRではなく,Flashと競合する。

 AIRプログラムは簡単だが,開発環境が必要である。Flex Builer 3やFlex 3 SDKなどである。これらを導入し,簡単なAIRプログラムを作成する方法は,2008年4月号からの,日経Linuxの連載「やさしいAdobe AIRプログラミング」に掲載している。