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個人が目指す成長の方向性と組織が目指す成長の方向性がどれだけ連動している関係なのかを表す。組織に対する「ロイヤルティー(忠誠心)」を発展させたような概念。

 若手社員の離職率の高さや優秀な中堅社員の流動化が問題視され始めています。この問題に対処すべく、「エンゲージメント」というキーワードに着目する企業が増えてきました。

 人材・組織改革プログラム開発支援事業を手がけるヒューマンバリュー(神奈川県湯河原町)の高間邦男代表取締役によると、米国で毎年開催される世界最大級の人事イベント「ASTD(アメリカン・ソサイエティ・フォー・トレーニング・アンド・デベロップメント)国際コンファレンスエキスポ」でもここ数年、エンゲージメントに関するコンファレンスが盛況。同氏は「米国では社員がすぐ会社を辞めてしまうことが大きな問題となっているから」と指摘します。

効果◆目標の意識合わせ

 エンゲージメントという言葉は、組織に対する単純な「ロイヤルティー(忠誠心)」とは違う意味で使われます。単にその会社の居心地がいいというのではなく、「この会社にいれば、自分のありたい姿に向かって成長できる。しかも、自己実現のための努力が会社のビジョン実現にも貢献できる」と思う社員が多い状態を、エンゲージメントが高いと表現します。そんな働きがいを強く感じている社員が増えれば自然と離職率は下がり、業績は向上しやすくなるでしょう。

 前述のヒューマンバリューは、「エンゲージメントサーベイ」と呼ぶ意識調査手法を開発しました。「組織への適合感」「組織への貢献感」「組織の人たちとの仲間意識」の3つに大別できる数十問の質問をイントラネットを使って実施し、その調査結果を通じて「どうありたいか」「仕事に対してどんな指向性を持つか」といった社員個々の特性を明らかにします。この手法を使って「自部門にはどんな指向性の人がいるのか」を確認し、次に「指向性の異なるみんなが満足するにはどうしたらいいか」を議論します。多様な価値観を認め合いながら、自分たちの組織らしさとは何かについて意識合わせができるので、組織の目標達成能力が高まるというわけです。

事例◆顧客満足度を向上

 日本を含む世界各地で超高級ホテルを運営する米ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーは、人材コンサルティング・調査会社の米ギャラップ・オーガニゼーションのエンゲージメントサーベイを活用しています。ザ・リッツ・カールトン・ホテルの狙いは、従業員の働きがいをいかにして高め続けていくかを社内で繰り返し議論し、それが最高の顧客サービスに結びつくようにする点にあります。その議論のたたき台にサーベイ結果を使うのです。リッツのお客様に対するおもてなしは、同業他社からも絶賛されるほど定評があります。