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 ブランデッドエンターテインメントとは、映画やテレビドラマなどのエンターテインメントコンテンツが持つストーリーや世界観を活用して、ブランドの価値を効果的に伝える共感型のコミュニケーション手法。2001年から2002年にかけて、BMWが自社Webサイトで公開した計8編のショートフィルム(短編映画)「BMWフィルムズ THE HIRE」が有名。

 広告メッセージの洪水が消費者に敬遠されだした状況を背景に、消費者が自ら望んで視聴したいと思うエンターテインメント性の高いコンテンツの中にブランディングなどの企業メッセージを埋め込む手法として広まった。伝えたいメッセージを楽しい、あるいは感動的なコンテンツの形で発信するので、消費者に受け入れられやすく、強い印象を残しやすい。同時に、クチコミによって広く波及しやすく、情報の到達者数や浸透度の面でも効果を期待できる。

 ブランデッドエンターテインメントの典型は、ショートフィルムやテレビCM/ドラマなどの映像コンテンツで、ほかにゲームや雑誌などの形態もある。ブランディングを行う企業が企画・制作をすべて賄って自社コンテンツとして作り込む方式のほかに、スポンサーシップの形で部分的にコンテンツ制作にかかわる形態もある。映像コンテンツは、YouTubeなどの動画共有サイトを通じて、クチコミが広がるケースが増えている。

 BMWフィルムズは、新規顧客を開拓するために40代以下の高学歴層へのブランド訴求を狙って、インターネット限定のオンラインビデオとして「THE HIRE」を公開した。BMW車を華麗に操る“運び屋”が主人公で、10分前後のストーリーが計8編ある。制作を担当したクリエーティブ系の広告会社である米ファロン(Fallon)は、ほかにも2004年に米アマゾン・ドットコムが書籍・CD以外の取り扱い商品の認知度を上げるために作成した「Amazon Theater」など、著名な監督や俳優を配したショートフィルムを多数手がけている。こうした動きを受け、日本でもショートフィルム形式のブランデッドエンターテインメントの制作が盛んになった。

 映像コンテンツの中には、ストーリーがないものもある。2004年に米バーガー・キングが開設したプロモーションサイト「Subservient Chicken」は、リアルなニワトリの着ぐるみに対してテキストボックスから命令を送ると、その通りに動き回るというもの。また、2006年にソニーがテレビ「BRAVIA」のCMとして放映した「Bouncy Balls」は、サンフランシスコの坂道を25万個のカラーボールが跳ねながら転がり落ちていく様子をスローモーションで見せる。どちらもストーリーはないが、面白さや美しさで目を引き、ブランデッドエンターテインメントの成功例に挙げられることが多い。

 また、テレビドラマや映画の中に特定の商品や店舗などを露出させるプロダクトプレースメントや、テレビCMの続編をオンラインビデオとして提供して、そこから特定のWebサイトへ誘導するクロスメディア的な手法についても、広義のブランデッドエンターテインメントとみなす場合がある。