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図1 スパム・ブログは,広告収入を目的として自動生成されたブログ(イラスト:なかがわ みさこ)
図1 スパム・ブログは,広告収入を目的として自動生成されたブログ(イラスト:なかがわ みさこ)
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図2 ユーザーの情報収集や企業のマーケティング活動の妨げに(イラスト:なかがわ みさこ)
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 「スパム・ブログ」とは,広告(アフィリエイト)収入を得ることや,特定のサイトへ誘導したりすることを目的として,自動的に投稿されたブログである。「スパム・ブログ」の文字を縮めて,「スプログ」(splog)などと呼ばれたりもする。「国内で毎月オープンするブログのうち約40%はスパム・ブログで,その数は600万~700万件にも上る」(ニフティの上符 裕一コミュニケーションデザイン部マネージャ)という調査結果もあり,インターネットの新たな問題に発展する危険性がある。

 スパム・ブログにはいくつか種類がある。(1)引用スパム,(2)アフィリエイト・スパム,(3)ワードサラダ,(4)自動マルチポスト──と呼ばれるものが代表的だ。いずれも,専用のツールを使って自動的に作られる(図1)。

 「引用スパム」は,他のブログやニュース記事の内容をそのままコピーしただけのブログである。スパム・ブログの自動生成ツールにキーワードを入力すると,そのキーワードに合致した記事をインターネット上から見つけ出し,自動的に自分のブログに貼り付ける。

 「アフィリエイト・スパム」は,商品写真とアフィリエイトのリンクを貼り付けただけのブログのこと。自動的に生成されたブログなので,商品の使い方や,商品を使った感想などは記事に書かれていない。

 最近は,「ワードサラダ」と呼ばれるツールを使って生成したブログも登場している。このツールは,指定したキーワードを使って文章を自動生成する。毎回違う文章がアップされるので人間が書いているように見えるが,読んでいるうちに文章が変であることに気付く。

 また,「自動マルチポスト」と呼ばれる手法で生成されたブログもスパム・ブログの一種と言える。これは,同じ内容の記事を複数のブログに大量に投稿するツールを使って作られたブログのことだ。

 では,なぜスパム・ブログが増えているのか。それは,スパム・ブログの生成者が,アフィリエイトによる広告収入を得る目的で,大量にブログを作成するからだ。アフィリエイトは,商品情報などを自分のブログで紹介し,商品を販売するメーカーのWebページに誘導したり,実際にその商品を購入したユーザーがいると,その分だけブログ開設者に収入がもたらされるというシステムである。

 ただ商品情報を表示しただけでは収入を得ることはできないが, 「アフィリエイト広告を目にした人の約0.1%が実際にクリックする」(ニフティの上符マネージャ)という調査結果もある。スパム・ブログ生成者は,広告を張っただけで内容のないブログを大量に作り,収入増を目論むわけだ。

 スパム・ブログは,インターネットに関係する多くの立場の人たちにとって問題になっている(図2)。

 ブログ・サービスを提供する事業者にとっては,サーバーや回線の容量がスパム・ブログによって圧迫されてしまい,サービスに支障が出る危険性がある。企業のマーケティング担当者にとってもスパム・ブログは悩みのタネだ。企業にとって,ブログの口コミ情報は人気のバロメータとして貴重な情報になる。スパム・ブログが多くなると,自社の製品がどれだけ支持されているかを見極めるのが難しくなる。一般ユーザーにとってみると,大量に生成されたスパム・ブログによって有益なコンテンツが埋もれてしまい,検索サービスなどから欲しい情報にたどり着けなくなってしまう。

 現在のところ,スパム・ブログに対する有効な対策はない。ただ,技術開発は行われている。例えば,企業向けのマーケティング・サービスの一つとして,ブログの更新頻度,リンク構造,頻出用語,他記事との類似性といった情報からスパム・ブログを判断する技術が登場している。今後はこうした技術が,Webの検索サービスなどに生かされる可能性がある。