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図1 認定サイトになるとブラックリストから外れる(イラスト:なかがわ みさこ)
図1 認定サイトになるとブラックリストから外れる(イラスト:なかがわ みさこ)
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図2 認定サイトになるためには第三者機関の審査を受ける必要がある(イラスト:なかがわ みさこ)
図2 認定サイトになるためには第三者機関の審査を受ける必要がある(イラスト:なかがわ みさこ)
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 認定サイトとは,第三者機関が「運営体制が健全である」と認定した携帯電話/PHSサイトのこと。認定サイトになると,携帯電話/PHS事業者のブラックリスト方式のフィルタリング対象から除外してもらえる。

 2008年6月に成立した「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」(青少年ネット規制法案)により,インターネット接続サービスを提供する携帯電話およびPHSの事業者各社に対して,その利用者が18歳未満の未成年の場合はフィルタリング・サービスを提供することが義務付けられた。ここでいうフィルタリング・サービスとは,青少年に有害な情報があるサイトを閲覧できなくする無料のサービスのことである。ただし,未成年者が新規契約する際に親権者が「利用しない」と意思表示をすれば,フィルタリング・サービスに加入しなくてもいいことになっている。

 何も意思表示をしない場合は,いわゆるブラックリスト方式のフィルタリング・サービスが自動的に適用される。この場合,「ギャンブル」や「コミュニケーション」といった特定のカテゴリに属するサイトが一律にアクセスできなくなる。例えば,ブログなど利用者が書き込めるコミュニティ・サイトはすべて閲覧できなくなってしまう。

 このように現在のフィルタリング・サービスは極めて画一的といえる。その改善策の一つとして登場してくるのが,認定サイトである。

 認定サイトになると,ブラックリスト方式でアクセスできないカテゴリに属するサイトにもかかわらず,フィルタリングの対象から除外される(図1)。第三者機関に「サイトの運営体制が健全である」と認めてもらい,事業者各社がそのサイトのURLをブラックリスト方式でフィルタリングしないようにする。

 サイトを認定する第三者機関として具体的な活動を始めているのが,「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)だ。EMAは業界団体のモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が2008年4月に設立した。6月末に認定基準を公開し,7月中旬から審査受付を開始する。EMAでは審査受付から1カ月程度かけて認定の合否を判断するので,早ければ8月にも認定サイトの第1号が登場する。

 コミュニティ・サイトの場合,認定基準は大きく4分野ある。それは,1)運営の基本方針が会員規約などできちんと公開されていること,2)監視体制がしっかりしていること,3)問い合わせ対応窓口が設置されていること,4)啓発・教育用コンテンツを用意していること──である(図2)。このようにEMAが健全かどうかを審査するのは,あくまでサイトの運営体制についてであり,そのサイトにある情報が常に健全なもので,有害情報が全くないことを保証するわけではない。

 サイトの健全性を審査する第三者機関はもう一つある。EMA設立と同時期に,別の第三者機関として「インターネット・コンテンツ審査監視機構」(I-ROI)の設立が発表された。設立準備を進めているのは出版/放送,ゲーム・ソフトなどの企業が会員のデジタルメディア協会(AMD)である。EMAが審査の対象とするのは携帯電話サイトのみだが,I-ROIではパソコンからの利用も含めたインターネットのサイト全般を審査の対象とする。年齢などに合わせた段階的な基準でサイトを認定する「レイティング」を行う。

 このように今秋以降は,EMAとI-ROIという二つの第三者機関が独立して認定作業を行うことで,基準の異なる認定サイトが登場してくることになる。利用者側としては,認定サイトだからといってうのみにするのではなく,一つの目安としてとらえるべきである。