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 一般に利用されている交流(AC)ではなく,直流(DC)で給電する方式のこと。通信業界では従来から,交換機やネットワーク機器への電力供給に直流方式を採用している。環境配慮への関心が高まり,サーバーやストレージについても,より電力ロスが小さくエネルギー効率が高い直流方式の給電に注目が集まっている。NTTグループや大手ITベンダーがデータセンターでの本格採用を決めるなどの動きがある。

 国内通信業界では直流48ボルトが標準である。NTTグループが管理するネットワーク機器のうち,約9割のIT機器や交換機が直流48ボルト給電に対応している。設備を置くNTT局舎内の電源設備も,直流給電を前提にしたものだ。

 これに対し,データセンター事業者や企業の多くは,一般企業が使う建物の設備と同様に,交流給電方式を採用しているケースが多い。2007年ごろからグリーンITへの関心が高まり,交流給電方式のエネルギー効率の低さを改善する方法の一つとして,直流給電方式の電源を採用する動きが活発化した。

 交流方式の電源を使用する場合,IT機器に給電するまで3度の変換ロスが発生する()。まず電力会社から供給された交流の電力は,データセンター設備のUPS(無停電電源装置)に蓄電するために直流に変換される。ところが,サーバーなどのIT機器は交流給電であるため,それを交流に変換しなくてはならない。最後に,プロセサやハードディスクなどの部品は直流給電方式であるため,もう一度直流への変換が必要になる。

図●直流給電方式は,交流方式よりも給電ロスが小さい
図●直流給電方式は,交流方式よりも給電ロスが小さい

 このような直流-交流の変換時にロスが発生。交流給電では,IT機器が消費するまでに4割近く電力をロスするといわれている。直流給電は,一度の変換で済むため,ロスが小さく,2割~3割に抑えられる。

 NTTグループは直流給電方式の研究開発を進め,2010年以降本格採用する方針を2008年7月に明らかにした。従来の48ボルト直流給電ではなく,より電力ロスが小さく運用しやすい400ボルト高圧直流を検討するという。

 また,伊藤忠テクノソリューションズや日立製作所などが新データセンターに直流給電方式の採用を決めた。グローバルでも,グリーンITを推進する業界団体「The Green Grid」が直流電源の採用を推奨している。

■変更履歴
交流方式による変換ロスの説明部分で「直流方式の電源を使用する場合,IT機器に給電するまで3度の変換ロスが発生する」としていましたが,正しくは「交流方式の電源を使用する場合」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/07/18 14:00]