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図1 現在は,決められたトップ・レベル・ドメインしか利用できない (イラスト:なかがわ みさこ)
図1 現在は,決められたトップ・レベル・ドメインしか利用できない (イラスト:なかがわ みさこ)
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図2 日本語のトップ・レベル・ドメインが使えるようになる (イラスト:なかがわ みさこ)
図2 日本語のトップ・レベル・ドメインが使えるようになる (イラスト:なかがわ みさこ)
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 日本語ccTLDとは,「.日本」などのように,国や地域を識別するトップ・レベル・ドメイン(TLD)に日本語が使えるドメイン名のことである。現在,インターネットのドメイン名を管理するICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)では新しいTLDの利用を推進するための議論が進められており,その動きを受けて総務省では日本語ccTLDを導入するための本格的な検討に入っている。

 TLDとはドメイン名の一番右側の部分で,例えば「www.nikkeibp.co.jp」なら「jp」となる。TLDには,「com」のようなgTLD(generic TLD)や,「aero」などのsTLD(sponsored TLD),国別や地域別に定められたccTLD(country code TLD)などの種類がある(図1)。このうちccTLDは,「jp」が日本用,「uk」が英国用といった形に決められている。日本のccTLDである「jp」ドメインは,日本国内に住所を持つ個人や企業のみが取得できる。

 これまで,新しいTLDを使えるようにする際には,利用したいTLDの名前をICANNが募集し,審査に合格したいくつかのTLDだけを順次追加していくという方法がとられていた。こうしてこれまでに,2000年と2003年の2回にわたって13種類のTLDが追加された。

 ただ,それでも十分な数があるとは言えないので,ICANNでは「審査に合格すればいつでも利用を認める」という方針に変更する方向で議論が進んでいる。さらに,TLDで英数字以外の文字も利用できるようにする。こうした動きは「TLDの自由化」などと言われている。

 ccTLDの日本語化は,こうしたTLD自由化の流れの一環として進められている。具体的には,それぞれの国や地域において,そこで使われている公用語を使ったccTLDを導入できるようにしようというものだ(図2)。

 ICANNのこうした動きを受けて総務省では, 「インターネット基盤委員会」において,日本語ccTLDの文字列の選定や,日本語ccTLDを管理・運営する事業者(レジストリ)の選定方法などの議論を進めている。

 日本語ccTLDの名称としては,「.日本」,「.にっぽん」,「.ニッポン」などさまざまなものが考えられるが,現時点では,国連の「地理学的名称の標準化のための技術参照マニュアル」に日本の国名として記されている「.日本」もしくは「.日本国」のどちらかを採用する方向で話が進められている。

 レジストリの選定では,まず日本語ccTLDのレジストリに求められる条件や選定基準がまとめられる。その後,2009年6月ころからレジストリの審査が始まり,2009年8月には国が推薦するレジストリが決まる見込みだ。また同委員会では,「suzuki.日本」と「suzuki.jp」は同一の者しか取得でないのか,もしくは,別の者でも取得可能にするのか,といった問題も議論されることになっている。

 日本語ccTLDの本格運用は,早ければ,レジストリが決まった2009年の8月に始まる見込みである。この見込み通りに事が運んだとすると,2009年第2四半期には,国内ユーザーに向けた日本語ccTLDドメインの利用受け付けが始まりそうだ。国内の個人ユーザーや一般企業は,これまでと同様に,ドメイン名登録事業者(レジストラ)を通じて,ドメイン名の右から2番目に位置する第2レベル・ドメインを登録して「nikkei.日本」などのドメイン名を利用する格好になる。