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図1 PCI ExpressのTLPフレームをイーサネット・フレームでカプセル化して転送するExpEther
図1 PCI ExpressのTLPフレームをイーサネット・フレームでカプセル化して転送するExpEther
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 「ExpEther」とは,パソコンの内部バス「PCI Express」(以下,PCIe)を,イーサネットで延長するための技術である。イーサネットをパソコンのシステム・バスとして使うためのしくみで,NECが開発した。 ExpEtherを使えば,イーサネット上にマザーボードやストレージ,グラフィックス・ボードなどPCIe接続の機器をばらばらに配置しておき,イーサネット越しにそれらを組み合わせて自由にパソコンを構築できる。(図1)。

 ExpEtherでは,LANスイッチはもちろん,PCIe機器も既存のものが使える。新規に必要なのは,「ブリッジ」というボードだ。このブリッジを PCIe接続のすべての機器に装着し,イーサネットとの橋渡しをさせる。パソコンのOSは,イーサネット越しのPCIe機器もローカルにあるように認識する。

 ブリッジでは,やりとりするフレームのカプセル化処理を行う。PCIeが伝送しているPCIe TLP(transaction layer packet)フレームにExpEtherヘッダーを付けたものを,イーサネットでカプセル化するのである。

 ブリッジによって,イーサネット越しのPCIe機器は,マザーボードが自動で認識する。機器の接続は,OSが起動している状態でできる。例えば,ストレージを増設したいときはLANスイッチにストレージをつなぐだけでよい。こうしたホット・プラグの機能は従来のPCIeにはないメリットだ。さらに,1パケットたりとも欠落させてはいけないというPCIeの要件をイーサネット上でも実現できるよう,レイヤー2で輻輳(ふくそう)制御や再送制御を行っている。

 イーサネット上の複数のPCIe機器からいくつかの機器を選択してパソコンを構成する場合は,タグVLANの機能を使うか,ExpEtherヘッダー内にあるIDを使ってグループ分けをする。こうすることで,一つのVLANやグループで一つのパソコンを構成するのである。

 2008年11月に,16社によって「ExpEtherコンソーシアム」が設立されている。ブリッジ用の専用IC(ASIC)も開発中で,2009年後半に完成の予定だ。