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図1 ブロードキャスト・ストームとは 誤ってLANをループ状に構成することにより,イーサネットのブロードキャスト・フレームが増殖し続ける現象のこと。
図1 ブロードキャスト・ストームとは 誤ってLANをループ状に構成することにより,イーサネットのブロードキャスト・フレームが増殖し続ける現象のこと。
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 ブロードキャスト・ストームとは,LANでMACフレームが永遠に回り続ける現象のこと。LAN の帯域を食いつぶし,最終的にネットワークがダウンする。ネットワーク・トラブルを引き起こす原因の一つである。

 ブロードキャスト・ストームは,LANスイッチをループ状に接続すると発生する。ループ状に接続すると,フレームが回り続ける道ができる。これがブロードキャスト・ストームの発生源となる。

 ネットワークがダウンする原因は,イーサネットのブロードキャスト・フレームにある。ブロードキャスト・フレームは,LAN上のすべてのマシンをあて先とするMACフレームのこと。LANスイッチは,ブロードキャスト・フレームを受け取ると,受け取ったポート以外のすべてのポートにブロードキャスト・フレームを送り出す。

 もし,LANにループがない正常な構成ならば,ブロードキャスト・フレームはLAN上のすべてのマシンに届いて終わる。しかし,ループ構成の部分があると,ブロードキャスト・フレームはループ部分をいつまでも回り続け,次第に増えていく。そして最終的にLANの帯域はブロードキャスト・フレームで埋め尽くされる(図1)。これが,「ブロードキャスト・ストーム」である。こうなると正常な通信はできなくなり,LAN全体がダウンする。
 
 ブロードキャスト・ストームを止めるには,ループ状になっているLANケーブルをLANスイッチから引き抜いてループ構成を解消すればよい。ただ,ループの原因はユーザーのうっかりミスであることが多く,ループさせた本人は気付かないケースが多い。

 そこでブロードキャスト・ストームを発生させないための対策が必要となる。空いているポートをふさぐ「ポート・ロック」や,ケーブルをつなぐと自動で通信を可能にする機能「オートMDI/MDI-X」をオフにしておくといった対策が有効だ。また,LANスイッチが搭載する冗長化機能「スパニング・ツリー」を使って,論理的にはループのないネットワークを構成するのも防止策となる。このほかブロードキャスト・ストーム発生後の対策としては,LANスイッチの「ストーム・コントロール」機能を使ってブロードキャスト・フレームの数を監視し,あらかじめ設定していたしきい値を超えたらそのポートをシャットダウンするというやりかたもある。