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図1 IPv6マルチプレフィックス問題とは ユーザーにIPv6プレフィックスが二つ配布されることで,正しく通信できなくなる可能性が生じる
図1 IPv6マルチプレフィックス問題とは ユーザーにIPv6プレフィックスが二つ配布されることで,正しく通信できなくなる可能性が生じる
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図2 「トンネル方式」と「ネイティブ方式」の概要 接続方法やネットワーク構成が異なる
図2 「トンネル方式」と「ネイティブ方式」の概要 接続方法やネットワーク構成が異なる
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 IPv6マルチプレフィックス問題とは,NTT東西地域会社(NTT東西)のNGN(next generation network)サービス「フレッツ 光ネクスト」とIPv6インターネットを併用できない問題のことである。IPv6ネットワークであるNTT東西のNGNを経由してIPv6インターネットにつなぐと,NGNとIPv6インターネットから合計二つのIPv6プレフィックスがユーザーのパソコンに配られてしまう(図1)。これがIPv6マルチプレフィックス問題を引き起こす。

 IPv6プレフィックスは,IPv6アドレスを形成する128ビットの上位48~64ビット。パソコンはこれを受け取り,残りをMACアドレスから持ってきたりランダムに生成したりしてIPv6アドレスを作る。現状では,NTT東西のNGNのプレフィックスとIPv6インターネットのプレフィックスを受け取ったパソコンは,NGN用とIPv6インターネット用の二つのIPv6アドレスを持つことになる。その結果パソコンでは,二つのネットワークと通信する際に使う送信元アドレスを誤って判断したり,間違った通信経路に送り出すことが起こり得る。

 こうしたケースをなくすには,パソコンが使えるプレフィックスを一つにすればよい。NTT東西はプロバイダの業界団体である日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)と,2008年春からIPv6マルチプレフィックス問題の解決策を協議してきた。この協議の過程では「案1,案2,案3」の3案が浮上し,さらに協議とは別に「案4」がNTT 側に提出された。これらの中から,案2と案4が採用されることになった。現在は,それぞれ「トンネル方式」,「ネイティブ方式」と呼ばれている(図2)。

 トンネル方式では,パソコンはプロバイダから配布されたプレフィックスを使う。このプレフィックスでNGNともIPv6インターネットとも正常に通信できるようにするために,「アダプタ」と呼ぶ機器を使うのが特徴だ。アダプタは,ユーザーのパソコンからの通信がNGNあてかIPv6インターネットあてかを判別して,それぞれに合ったやり方で送り出す。トンネル方式を採用したプロバイダのユーザーは,宅内にアダプタを設置する必要がある。

 もう一つのネイティブ方式のポイントは,NTT東西とプロバイダのほかに「接続事業者」がいることだ。接続事業者とは,協定を結んだほかのプロバイダのユーザーをNGN経由でIPv6インターネットに接続する事業者のこと。ネイティブ方式でサービスを提供するプロバイダは,この接続事業者につながる格好になる。

 NTT東西はこの二つの接続方式について総務大臣に接続約款を変更する認可申請を出した。認可が下りればユーザーは2011年4月にも,NGN経由のIPv6インターネット接続サービスを使えるようになる。