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 小型ノートPC「ネットブック」やモバイル端末「MID」(モバイル・インターネット・デバイス)向けのLinux OS「Moblin」の中核となるユーザー・インタフェース用のライブラリ・ソフトウエアです。このライブラリを使うと,最近のモバイル機器では流行の,画面を指で触って移動したり拡大したりといった複雑で滑らかな操作が可能な3次元エフェクト付きアプリケーションなどを容易に実装できます。

 描画には3次元グラフィックス用のプログラミング・インタフェース(API)「OpenGL」を使いますが,「GObject」というGTK+に似たオブジェクト指向のAPIも採用しています。そのため,OpenGLに関する詳しい知識を持たなくても,JavaScript互換記述フォーマット「JavaScript Object Notation」(JSON)でユーザー・インタフェースのプログラムを記述できます。

 ClutterはC言語で実装されていますが,「Python」「Perl」「C##」「C++」など,さまざまなプログラミング言語から使用するように拡張可能です。また,HTMLレンダリング・エンジン「Gecko」や物理エンジン「Box2D」,ベクター・エンジン「Cairo」,テキスト描画ライブラリ「Pango」,マルチメディア・フレームワーク「GStreamer」と「Helix」――などの各種ライブラリをClutterに取り込めます。

 ClutterはGTK+やQTといった,既存のGUIツールキットと互換性があります。GTK+やQTで開発した既存のアプリケーションがClutterを利用することで,Clutterで開発したネイティブ・アプリケーションと同様の効果を与えられます。例えば,GTK+で開発したアプリケーションの複数のウインドウを,本のページをめくるように描画できます。