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文・中西 淳一(NTTデータ経営研究所 情報戦略コンサルティング本部 マネージャー)

 Web会議システムとは、音声や映像、チャットなどのコミュニケーション機能と、資料やデスクトップを共有するための機能とを統合した、会議や共同作業を行うためのツールです。利用者は従来のように1カ所に集まって会議を行う必要がなくなるため、交通費や移動時間の負担を軽減できます。

 2011年10月、米マイクロソフトはインターネット通話サービス大手のスカイプ・グローバル(ルクセンブルク)を85億ドルで買収し、一事業部門として統合しました。スカイプが提供するインターネット電話サービス「Skype」は、2010年6月時点で約5億6000万人の利用者を抱え、現在ではビデオ通話機能や、グループビデオ通話、画面の共有といったWeb会議システムの機能も備えています。

 マイクロソフトは将来的には自社のクラウドサービス「Office 365」にSkypeサービスを含める考えを持っているようです。つまり、マイクロソフトが巨費をかけてスカイプを買収したねらいは、有望なWeb会議システムの事業強化とみなせるでしょう。

Web会議システムの技術的側面

従来のテレビ会議システムとの違い
 発展著しいWeb会議システムですが、以前より映像を用いた同様のコミュニケーションツールとしてテレビ会議システム(またはビデオ会議システムとも呼ばれる)が存在しました。従来のテレビ会議システムが1990年代以降のPCやインターネットの発達に伴い、形を変えたのがWeb会議システムです。従来のテレビ会議システムとWeb会議システムの違いはのようになります。

表●従来のテレビ会議システムとWeb会議システムの違い
従来のテレビ会議システム Web会議システム
端末装置 ・専用装置の設置が必要 ・PCにWebカメラやヘッドセットを接続
・ソフトウエアはWebブラウザを利用するものが多い
通信回線 ・専用回線が必要 ・インターネットをはじめとするIPネットワークで利用可能
機能 ・音声と動画のやり取りが中心
(参加者の発言や表情を伝える)
・音声と動画のやり取りに加え、データ(会議資料)やデスクトップ(会議で操作するアプリケーション)を共有する機能も備える
導入コスト ・高価 ・安価

 従来のテレビ会議システムは専用装置を専用線で接続することが多く、導入コストが高価でした。他方、Web会議システムはPCにWebカメラを接続し、インターネット回線を利用するため、比較的安価に構築できます。

 またシステムの機能を比較すると、テレビ会議システムは音声と動画のやりとりが中心ですが、Web会議システムは、音声と動画に加え、会議の資料やデスクトップ画面を共有することで、共同作業が可能です(図1)。

図1●Web会議システムの画面イメージ
図1●Web会議システムの画面イメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 前述のとおり、Web会議システムはPCをベースにしたシステムです。そのため、PCやインターネットが普及し、
(1)PCが動画を扱うのに十分な処理能力を備えた
(2)安価だが高精細な映像を撮影できるWebカメラが普及した
(3)ブロードバンド環境が普及した
といった条件が整ったことで、Web会議システムは飛躍的に普及しました。日経BP社が行った「企業ネット実態調査2010」では日本の企業の約55%がテレビ会議システムまたはWeb会議システムを導入しています(参考記事)。

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