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 消費者が置かれた環境や本人の興味・関心から希望する情報やこの先の行動を感知し、その場の状況に適したコンテンツやサービスを提供すること。


 冬の買い物の帰り道、街歩きに疲れ、体も冷えてきたのでどこかのカフェで一息つこうかと考えていたちょうどその時、携帯電話に電子メールが届きました。この先にあるなじみのコーヒーチェーンから割引クーポンが配信されてきたのです。せっかくだから店舗に立ち寄り、一杯飲んで体を温めていくことにしました─。こんな生活シーンが当たり前になる日が、すぐそこまで来ています。消費者の動きや行動パターンを先読みし、利用価値の高い情報を提供する技術をコンテキスト・アウェア・コンピューティングと呼びます。

 コンテキスト・アウェアは直訳すれば「文脈からの気づき」です。あたかも「行間を読む」がごとく、既にはっきりとしている事実からその先にあるものを読み取ることを意味します。

 この技術を提唱する調査会社、ガートナージャパンはコンテキスト・アウェア・コンピューティングを「場の空気を読むテクノロジー」とも表現しています。

効果:情報が行動に結びつく

 コンテキスト・アウェア・コンピューティングを実現するには、消費者を知る手がかりになるデータが欠かせません。まずは消費者が今置かれている状況を把握し、この後、この人が何をしたいと思っているのかを推測する必要があるのです。入手しなければならないデータとして、GPS(全地球測位システム)などの位置データ、気温や湿度などの天候データ、個人の興味や関心を示す項目、そしてその人が過去にどんな行動を取ってきたのかを示す履歴データやライフログなどが挙げられます。

 これらのデータから総合的に判断し、消費者が今欲しいと思う情報やお薦めの情報を手元の端末に配信したり、今いる場所の電子看板(デジタルサイネージ)に表示したりすれば、消費者を購買に駆り立てる確率を高められると考えられています。

動向:情報インフラが整う

 ガートナーは消費者が置かれた状況や環境を企業側が読み取って、場に適した文字や画像、音などの情報を提供する活動が今後、本格化するとしています。コンテキスト・アウェア・コンピューティングに必要な情報インフラは既にほぼ整っています。既にNTTドコモが位置データを使った携帯電話向けのエリア情報提供サービス「iコンシェル」を開始し、鉄道会社がIC乗車券の改札通過データを使って情報配信をし始めました。カーナビゲーションシステムと、レストランやホテルの位置データや評判を結びつけて知らせるサービスもあります。当面は通信会社や鉄道会社、カーナビ運営会社などが連携し、発展していくでしょう。