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 東日本大震災の発生直後、多くの企業が災害対策本部を立ち上げました。経営トップを補佐して、緊急時の組織運営を担うのが危機管理担当役員です。地震に代表される自然災害だけではなく、品質事故や不祥事などの対応においても、関係部門の情報を集約して取引先や顧客、メディアへの対応方針を決めていくなど、意思決定の要となります。

 有事の対応はもちろんのこと、平時の備えも行います。企業がさらされるリスクを洗い出して対応の優先順位を付け、対策を立案してヒト・モノ・カネといった経営リソースを配分します。東日本大震災を契機に多くの企業がBCP(事業継続計画)の見直しを検討するなか、危機管理担当役員を設置する企業は増加するとみられています。 

 欧米などの企業では、最高リスク管理責任者(CRO)という肩書で置く例もあります。危機管理の専門職として複数の企業で経験を積み、CROに上り詰めるというキャリアパスも確立されています。

 一方で、東日本大震災のような大規模な災害に対応するに当たっては、現場の業務に精通していたり、社内に人的ネットワークを有していたりすることも必要です。現場とのローテーション人事を行いながら、危機管理の専門知識や行動力を備えた人材を育成することも検討すべきでしょう。