日経ソリューションビジネス本誌より
目次
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成功への定理が見えた
営業スキルの磨き方
「ソリューションが売れない」という嘆きが聞こえる今の時代でも、売り上げを確実に達成する営業担当者はいる。その秘訣は何なのか。営業改革に取り組むソリューションプロバイダや、第一線で活躍するトップ営業に取材した結果、売れる営業には営業効率を上げる、共通の行動様式があることが分かった。
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見込み薄でもあきらめない、検討段階で顧客に食い込む
課題や要望を明確にして主導権を握る
始まりは、手応えの弱い商談だった。だが、顧客企業の社内で検討が本格化。検討段階から顧客企業に入り込むことで、提案書を共同で作成。信頼を勝ち得て受注につなげた
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不況でも需要が見込める顧客分析機能が充実
CRMソフト
不況下でもCRM(顧客関係管理)ソフトの市場は拡大している。「新規顧客増の望みが薄い今だから、既存顧客を逃さないように関係を強化したい」といった需要があるためだ。メーカー各社は機能強化を進める一方で、手軽に使えるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供を開始。さまざまな規模や用途に応…
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暗号化機能を持つログ管理ソフト、ニーズを次々反映し、700社が導入
ハミングヘッズの「セキュリティプラットフォーム」
ハミングヘッズの「セキュリティプラットフォーム」は、暗号化機能を備える操作ログ管理ソフトだ。発売後、セキュリティ機能の拡充を次々に図ってきた。今年に入ってUSBメモリーの接続制限などを追加した。
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さらば、あいまい開発
「BABOK」が超上流の姿を一変
顧客の要件定義があいまいなまま開発を進めたために、手戻りが発生して損失を出した―。最大の問題は、システム開発プロジェクトの要となる超上流工程で、システム化本来の目的をSIerと顧客が共有する体制を、築いていなかったことにある。開発の目的を理解せず顧客に言われたままに動くだけでは、 “御用聞き”から…
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白紙になったサーバー統合、クラウドに切り替えて受注
インフラ調達を工夫し、高いコスト削減効果を実現
顧客から了解を得ていたサーバー統合の案件が、不景気を理由に見送られることになってしまう。自社初となる企業向けクラウドの提案に切り替え、受注に結び付けた。
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Force.com上で稼働するSaaS、多言語/多通貨の会計機能を提供
ガイアの「F-GAIA」
ERP(統合基幹業務システム)ベンダーのガイアは、会計機能をSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)で提供する「F-GAIA」を9月末に発売する。セールスフォース・ドットコムのプラットフォーム上で稼働する。
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信頼性と仮想化で差異化、本命は変わらず基幹系
UNIXサーバー
UNIXサーバーは、市場が成熟しており大きく成長することはないが、基幹システムなど高い信頼性が求められるシステムの基盤として、根強い人気を持つ商材だ。2009年4月、米オラクルによる米サン・マイクロシステムズ買収発表以降、市場に注目が集まる。メインフレームの技術を応用した高可用性や仮想化機能を売り…
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仮想化への対応強化進む、コスト削減と“相性”向上
統合運用管理ソフト
不況期でも市場を着実に拡大しているのが統合運用管理ソフトだ。多くのメーカーは、サーバー統合や仮想化環境の構築を支援するための機能を強化している。加えてIT財務管理ソフトなど、企業のITコストを可視化するソフトの品ぞろえも拡充。これにより顧客に向けて、コスト削減効果の高い商材として売り込みやすくなっ…
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基幹データベースの性能改善、ソフト開発環境を整備し普及図る
パナソニック ソリューションテクノロジーの「Pana Search/KB Database Edition」
パナソニック ソリューションテクノロジーの「Pana Search/KB Data-base Edition」は、データベースの検索速度を向上させるソフトだ。昨年10月のDB2版に続き、今年8月下旬にはOracle版も投入した。
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動き出したIFRSビジネス
今後5年間、国内のITサービス市場は“特需”で確実に盛り上る。上場企業を対象に、2015年にも国際会計基準(IFRS)が適用される公算が高いからだ。会計だけでなく、販売や在庫管理といった基幹業務システムも変更を迫られる。影響範囲は日本版SOX法(J-SOX)対応より広い。コンサルティング会社やSI…
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仮想化に初挑戦、技術者不在に苦戦
ハウジング案件がサーバー統合に発展
データセンターへのハウジングの相談から始まった商談。詳細を詰めるうちにサーバー統合案件に発展した。顧客の要望を叶える技術者がいない。メーカーの技術者が協力し、受注につなげた。
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クラウドに賭ける
「移す」「つなぐ」「つくる」「生かす」にチャンス
クラウドコンピューティングの時代が幕を開けた。大手ベンダーのクラウド提供も相次ぐ。ネットの向こうにあるソフトやITインフラをサービスとして使う。これを前提にした全く新しいソリューションが求められる。中堅・中小SIerにとっては、事業を拡大する絶好のチャンスだ。先進ベンダーは、既にクラウドの存在を前…
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最大32テラのDWHアプライアンス構成、見積もりとBI用のツールを用意
マイクロソフトの「SQL Server Fast Track Data Warehouse」
SQL Server Fast Track Data Warehouse(Fast Track)は、マイクロソフトが初めて手掛けたデータウエアハウスのアプライアンス製品である。低価格を武器に、激戦区の市場に乗り込んだ。
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迷う顧客に優先順位を提示、要点絞ったデモで不安を払拭
顧客の先手を取り、決まりかけていた競合を制す
数年来、大きな取引がなかった顧客の案件情報をつかんだ。内容は得意のシンクライアント導入だ。すでに他社に決めかけていた顧客に待ったをかけた。
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連携と省電力化を促進、市場をてこ入れ
オフィス向けカラー複合機
15年以上にわたって成長を続けてきたオフィス向けカラー複合機市場。昨年は不況の影響で初めて縮小に転じた。メーカー各社はこれまで進めてきた二つの戦略で、市場をてこ入れしようとしている。システムの端末として利用するためのシステム連携ミドルウエアの整備と、省電力をうたった製品の投入がそうである。
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6年ぶりのマイナス成長、収益力は前年度並みに
2008年度ソリューションプロバイダ業績ランキング
2008年度のソリューションプロバイダの業績は、厳しい結果になった。売上高100億円以上の会社を見ると、売上高、営業利益、経常利益のいずれも前年度を下回る。三つの指標がマイナス成長に陥ったのは、6年ぶりのことだ。不況の影響を受けていることが分かる。ただし赤字決算の企業はまだ少なく、過剰に悲観するこ…
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検索速度2倍のXMLデータベース、数十テラバイトの市場開拓に挑む
東芝ソリューションの「TX1 V3」
東芝ソリューションは、検索速度を自社比で2倍に高めたXML(拡張マークアップ言語)データベースの新製品、「TX1 V3」を6月に販売した。データ容量が多い、大規模システム向けを狙う。
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プレゼン直前に届いた質問状、24時間以内ですべてに回答
迅速な対応で信用を回復し、4社の競合を制す
数年前の失注以来、顧客の信用はいま一つだったが、営業担当者が奮闘して提案の機会を得る。初期投資を抑え保守も効率化するという内容で、因縁のライバルとの勝負に臨んだ。
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既存の対策に限界、未知の脅威への対応で差
ウイルス対策ソフト
ウイルス対策ソフトは、不況期でも新規顧客の獲得や既存顧客の深耕が期待できる商材である。毎年ライセンスの更新が不可欠なため、予算化のタイミングで他社製品への乗り換えを促せる。注目は定義ファイルに頼らない新たな検知手法。急増するマルウエア対策として、ベンダー各社が取り組んでいる。