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 私は子供に何か教えるのは好きではない。なんて書くと「なに!今までも実際に,ロボットやソフトウエアについて色々と教えてきたじゃないか」という声が聞こえてきそうだが,直接なにかを教えるのではなく,子供たちが自分で理解していく過程をサポートすることや「これおもしろそうだぞ」と新しいものを紹介することは,以前からこの日記をお読みいただいている方にはご存知のことだが,いろいろとやってきた。子供が新しいことに興味を膨らませていく過程や理解していく様子を眺めているのは楽しい。

 しかし,「これはこうなんだ」とか「次はこうしてみなさい」という風になにかを教えるのは好みではないので,あまりしてこなかった。

 たとえば,同じプログラミング言語を理解する場合でも,人によって理解の仕方は異なるのだ。それは悪いことではなく,自分の理解の仕方でプログラミング言語を使いこなしていけばいいんだと私は思う。もちろん,間違った理解や非効率的な方法は,時間を掛けて訂正していかなければならないが,とりあえず自分のイメージを作ってしまわないと,プログラムを実際に作っていくことは難しい。だから,MindStormsの開発者セイモア・パパート博士の言葉を借りると「自発的知識の獲得を支援する」という姿勢を,こうしろうが経済産業省の基本情報技術者の試験勉強をするときも崩さなかったつもりである。

 でも,ここにきて気持ちが変わってきた。「Delphiをともに学ぼう」とこうしろうと一緒にブラウザを作ってきたが,あらすじや仕組みは解説してやることが出来ても,新しいことを調べるスピードに差がなくなってきたので,同時に勉強しながら,少し先を読んでリードすることが難しくなった。こうしろうに基礎力が付いたのかもしれない。

 こうしろうは,まだ高校1年生なのだが,もう学校では理系/文系の選択や志望校を決めなければいけないらしい。「都会の大学に進学するとしたら,プログラミングについて教えてやりたくても,あと2年しか時間がないんだ」と当たり前のことに最近気づいた。

 自分の得意なことで,こうしろうの知らない分野を教えてやろうと「PHP(Hypertext Preprocessor)を勉強しないか」と声を掛けた。「PHPもやりたいなとおもとったがいぜ」と答える。彼の場合,学校の勉強以外はたいがい「やりたい」と思っているのである。

 テキストには,日経BPパソコンベストムック「ゼロから学ぶWebプログラミング」 - クールなサイトをつくりたい! -と,

 WINGSプロジェクト著,山田祥寛さん監修の改定新版「基礎PHP」を使う予定だ。

 「ゼロから学ぶWebプログラミング」の第4部には私の書いたPHPの記事が載っている。また「基礎PHP」では監修だけだが,山田さんの書かれたものはわかりやすいので,これもテキストに使わせてもらおうと思う。日経ソフトウエア誌の次号(2005年1月号)からは,山田祥寛さんのPHP5の連載も始まるようなので,そちらも楽しみだ。

 10月30日 PCにapache2.0.52,mysql4.0.22,php5.0.2の各Windows用バイナリをダウンロードするところから,PHPの学習を開始した。Windows版と言っても,元々UNIX系のOSで動くソフトウエアなので,設定ファイルの書き方や用語にもUNIX系の香りがある。

 「httpdはHyperText Transfer Protocol Deamon の略でメモリーに常駐するWebサーバーのプログラム名だ。現在もっとも普及しているApache Webサーバーは世界中のプログラマが協力してA patch(パッチを当てた)したフリーソフトウエアである」なんてところから解説を始めなくてはいけない。

 「Deamon(デーモン)とはデーモン小暮ではなく,メモリーに常駐してサービスを提供するソフトウエアのことであり代表的のものはWebサーバー,メールサーバー,DBサーバーなどだ。Windowsで言うとサービスだね」などと説明を続けるが,親父ギャグはスルーされてしまう。UNIX系の用語に初めて触れる息子の気を少し軽くさせてやろうとくだらないことを言う。親父ギャグは親父の思いやりやためらいの産物なんだよ。だから「さぶー」なんて言っちゃいかんのだよ,若者諸君。

 さて,今回の目標地点はPHPでWeb+DBプログラミングの概要を理解できるようになること,PHPでオブジェクト指向プログラミングを体験することだ。

 「こりゃ,教えがいがあるぞ」と父は一人ほくそ笑んでいる。