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 5月7日 私はITネットワークアシストたかおか(略称NAT)というボランティア団体で仲間と一緒に小学生を対象にしたロボット教室を実施している。昨年度はRIS2.0(MINDSTORMS Robotics Invention System)の標準開発環境でロボットのプログラムを作成する方法を教えたが,今年度からは永和システムマネジメントのREALシリーズ「実習 ロボットと情報技術」 ROBOLAB 基礎編を使いたいと考えた(理由は192話を参照してほしい)。

 ROBOLAB基礎編の指導者用テキストと受講者用テキスト,そしてプログラム開発用ソフトウエアREAL2060JP(ROBOLABv1.5のサイトライセンス)をNATで購入し,6月から児童文化センターという場所で行うロボット教室に使おうと予習を始めた。

 テキストを開くと,「知恵を得るためには,体験する以外によい方法はない」 -アルベルト・アインシュタイン-とある。「どんな頭の構造をしているだろう?」と思ってしまう人が経験の重要さを説いているのはうれしい。しかし,特殊相対性理論は読んだときだけ,なんとなくわかったような気になるのだが,しばらくするとなんのことだかわからなくなる(結局,わからないのだ)。

 勉強を始めて,すぐに「ありゃ!」と思ったのは開発用ソフトウエアREAL2060JP,つまりROBOLAB v1.5についてだった。ROBOLAB v1.5はUSB IRタワーを認識しない。シリアル(RS232-C)ポートを使うIRタワーしかサポートしていないのだ。MindStormsではPCで作成したプログラムをIRタワーで赤外線を使って送信するが,NATで12台所有しているRIS2.0に付属するIRタワーはUSB IRタワーなのだ。

 ROBOLAB v1.5と同時期のRIS1.0やRIS1.5はシリアルポートのIRタワーだったが,近頃のPCにはシリアルポートそのものがないことが多いので,USBにも対応しているだろうと楽観していた。

 最初から,つまずいてしまったのだが,とりあえずこの問題はおいといて,RIS1.0のIRタワーで予習を進める。

 この教材の良いところは,ステップ・バイ・ステップで理解を積み上げていく構成になっているところと,複数の子供が参加するワークショップ形式の講習に向いているところだ。RIS2.0の標準開発環境は一人か二人で遊ぶのには向いているが,お互いに情報交換をして理解を深めていく形にはなっていない。

 たとえば,ライトセンサーを使ったロボットを作るときは,テキスト上の黒い部分と白い部分をライトセンサーで計測して,他の人の計測値と比較させる。場所によって照明のあたり方が違うので,返ってくる値が異なることをまず理解させる。こうしておけば,ライントレーサーのプログラムを作ってテストしたときに,うまく動かなかったらどこを変更すればよいのかがわかる。

 ライントレーサーのプログラムでは,テストシートの片側ライントレースからはじめ,両側ライントレースのプログラムに発展させ,本格的なコースに出る。永和システムマネジメントさんがこれまでやってこられたロボット教室の経験が詰まっていると感じた。

 前回,ほのちゃん(小1)と一緒に作成したロボットにライトセンサーとタッチセンサーを取り付けようとテキストに従いパーツを組み立てるが,ROBOLABのロボット作成キットとRIS2.0の部品には若干違いがあるので,工夫が必要だ。

 タッチセンサーなどは,RIS2.0のマニュアルを参考に独自に作ったほうがよいかもしれない。ロボットをいじっていると,ほのちゃんが遊びたそうに寄ってくるが,時間がないので静かにかわす。

 車の前にライトセンサーとタッチセンサーを取り付けた。何かにぶつかったときに緑のブロックがタッチセンサーを押し込む設計だが,高さが少しずれてしまい,うまく押し込めないので輪ゴムで黄色のブロックに固定した。

5月14日 USB IRタワーの件は,ROBOLABをv2.5.4にバージョンアップすることで解決した。ROBOLABv2.5.4では大幅に機能が拡張されているので,バージョンアップ料もなかなかのものであったが,これでロボット教室で使用できるようになった。

 ROBOLABではプログラムアイコンをワイヤで繋ぎ,プログラムを作成する。RIS2.0の標準開発環境に似ているが,「右に曲がる」といったマクロ的な命令はない。右に曲がりたかったら,指定した秒数,Aのモーターを回しCのモーターを止めるのだ。このプログラムは白い紙の上など明るいところでは前進し,暗いところではジグザグにロボットを動かすものだ。プログラムをいじっていると,かず(中2)が寄ってくる。「うまくいかんけ?」とうまく行っていないなら手伝ってやろうかと言いたげなので,うれしいのだが「いや」と冷たくかわす。こうしろうは寄っても来ない。

 v2.5.4になって大幅に増えたのは,プログラムアイコンの数である。レゴカメラを使った画像認識も可能になったほか,データの収集/分析機能も備えている。もっとも全部の機能を使うには,RIS2.0の部品だけでは足りないのだが。

 プログラムアイコンはツールパレットの糸巻きのようなアイコンからワイヤを出して繋いでいくのだが,これがなかなかうまく繋がらないことが多く,v1.5では「面倒だな」と感じた。v2.5.4からは自動接続機能が追加されており,プログラムアイコンを繋げたいアイコンのそばにドラッグ&ドロップすると自動で配線してくれるので便利だ。この教材を使って,自分でロボットを制御しているという達成感を子供達に味わってほしいと思う。