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 登下校中の児童の安否を確認する「児童見守りソリューション」。これまで実証実験ばかりだったが、商用化する企業が相次いでいる。広告掲載などのアイデアで初期費用を抑えつつ、映像監視ソリューションなどと組み合わせて拡販を図る。



 「公立小学校は全国に約2万3000校。当社が提供するソリューションは、この“手つかず”の巨大市場を相手に展開していく」(アイ・シー・マスターの池内勇代表取締役社長)。アイ・シー・マスターは10月から大阪市内の公立小学校に、ITを駆使して児童の安否を確認する、いわゆる児童見守りソリューションを導入した。

 富士通の山川幸一サービスビジネス本部サービスコンダクターセンター特定サービスコンダクター部担当部長も、潜在的な市場の大きさに手応えを得ている。同社は私立小学校への導入実績があり、「全国のPTAからの問い合わせが、ここにきて急増している」(山川担当部長)と言う。

 児童見守りソリューションは、ICタグや携帯電話など無線発振器を子供の身に付けさせ、登下校時刻をメールで保護者に知らせたり、ブラウザで現在位置を特定したりする機能を提供するもの。校門や通学路に設置した無線のアンテナなどを介して、登下校時刻や通学の経路を把握できる。児童を特定したり保護者にメールを配信したりするのは、主にソリューションの提供企業が運用しているアプリケーションサーバーの役目。このサーバーを複数の学校で共同利用する、 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)型のソリューションが主流である。

 児童見守りソリューションが登場した背景には、2004年末から2005年末にかけて登下校中の児童を狙う事件が相次ぎ、学校や保護者の間で子供の「安全・安心」を確保しようという気運が高まったことがある。学校や地方自治体には「教師や保護者がどれだけ警備に努めても、それだけで犯罪発生を防ぐのは難しい。日ごろから児童を見守ることが、犯罪の予防につながる」(大阪府の浅野幸治・産業労働企画室副理事)との認識が生まれたのだ。

 そこで2005年ころからソリューションプロバイダや通信事業者と共同で、ITを駆使した児童見守りソリューションを検討する学校・自治体が続出した。学校でのいじめが社会問題になっていることもあり、私立・国公立を問わず本格導入が始まっている。

 加えて、学習塾や予備校もこのソリューションの導入に積極的だ。大手予備校の代々木ゼミナールはレブルシステムズの「あんしんタッチ」を採用。約 1000人の生徒を対象に、この12月から試験導入を開始した。レブルシステムズの米倉良昌営業第二部課長は「約3000人の生徒が通う学習塾とも商談が進んでいる」と、引き合いの強さを語る。



本記事は日経ソリューションビジネス2006年11月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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